北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ 第5部

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今回はルブランについて検証してみよう。そして特に注目するのは呼び込みの男の素性でもある。

場所は高田馬場の栄え通りだがこれは実在する場所でもある。もちろんルブランという店名のキャバレーは存在しない。
栄え通りの聞き込みによると評判の店らしく、また本編当時がバブル期もあって売り上げはかなり右肩上がりだっただろう。

なら何故呼び込みなどが必要なのか。好評の店ならわざわざ呼び込みなどする必要がないのである。
推理するに彼は店の人間であってそうではない。つまり正規の雇用で働いてるとはいいがたいのである。
その根拠にネクタイの存在がある。通常呼び込む人間は信用性、安全性を売りにするはずであり、客層も
サラリーマンが主体のため印象を良くする為にも必要な存在なのである。だが本編では彼はネクタイを着用はしていない。
そこで結論付けられるのは彼は社員ではなく、またアルバイトでもない。用は善意で仕事をわけてもらっているのである。

彼を日本人だと決め付けるのは安易ではないだろうか。彼はアジア系の不法労働者で当然ビザも取得はしてない。
そして彼を受け入れ仕事を与えその給金をリベートしてる組織が恐らく背後関係にあってもおかしくはない。

真面目で人当たりも良い彼にとっては呼び込みでも祖国の家族のためを思えばその仕事に対して不安はなかったのだろう。
バブル当時であれば金銭的にもそれなりのものはもらってたはずであるからだ。不平不満はそうなかったはずである。
その後彼がどうなったかは定かではない。事件解決後に黒木刑事がふと立ち寄ってみたが彼はすでにいなかったらしい。
まとまった金が溜まり祖国に帰国したようだ。

しかし彼はかなり肝の据わった男である。警察手帳を見せても動揺するわけでもなく実に淡々としていた。
そして彼は変装してたと思われよう見るからに疑いを隠せない頭髪と付け歯はもはや滑稽である。