小学校1年の頃。
うちは母子家庭でして。母はホステスだったわけですよ。
で、晩御飯から就寝まで、俺は家で一人。
そんな俺を哀れに思ったのか、母がある日、ファミコンとスーパーマリオを買ってきたわけで。
一生懸命遊びましたよ。物を買ってもらうのも久しぶりで、嬉しかったしねぇ…。
で、しばらく経ったある日のこと。夜中に目が覚めたわけですよ。
ミシミシ…ギシギシ…「あ゛あ゛っ!!クソォッ!!腹立つぅ!!」
俺はただならぬ気配を感じ、恐る恐る目を開けると、顔を紅潮させ、
力いっぱいコントローラーを握った母がTVに向かっていた。
あまりに力を込めて握っているため、コントローラーがミシミシと音を立てていたのだ。
どうやら、1-1のゴール直前にある落とし穴がどうしても越えられない模様。
俺「お母さん・・・」
母「(ビクゥ!)あ、起こしちゃった・・・?」
俺「何してんの?」
母「あ、え、いや・・・。あのね、ほら、
あんたより先に進んで、後で教えてあげようかと思って。ここはこうした方がいいよーって」
俺「・・・。僕、もう全部クリアしちゃった・・・。」
それからかな・・・。母が「ゲームは1日1時間」って決まりを作ったのは・・・。