レゲーの主人公だけで場トルロワイアル

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201NAME OVER
月明かりの下、崖から島を見下ろす男がいた。
男の名はゼロ。真紅のボディに金色の美しい髪を持つ天才イレギュラーハンターである。
「…エックスを、探さなければな。」
ぽつりと、誰に聞かせるでもなく呟いた。彼はこのゲームに乗る気などさらさらない。
だが、1人でこの状況を覆すなど不可能だ。ゲームに乗っている奴もかなり多くいる。
エックスと二人ならば…彼はこのゲームを覆す事が出来ると、そう考えていた。
そして、場合によっては相手を殺さねばならないことも理解していた。手持ちの武器を改めて確認した。
「しかし、ダーツとはな。飛び道具だっただけマシか。」
そのとき、何者かの気配を感じた。彼はふりかえる。
そこには、ピンク色の球体に手足のついた奇妙な生物がいた。それは何かを手に持って走ってきている。
ゼロが手に持っているものを理解した次の瞬間、それが凄まじい勢いを持って飛んできた!
…ゼロ程の反応速度を持つものでなければかわす事は出来なかったであろう。それは、ハンマーだった。
直撃していればゼロといえど殺られていたはずだ。
「へえ、見掛けによらず、やる気だな。」
彼はよけると同時にそれの後ろを取った。ゼロは拳を放つ。
ピンク色の生き物はそれを予期していたかのように受けとめた。
驚くべき事に片手には剣を持っていた。さっきまでハンマーで両手がふさがっていたのに。
その驚きが隙を生んだ。切っ先がゼロに襲いかかる。彼はどうにかまともにくらうことだけは避けたが、
ボディに深さを持った傷をつけられた。本来、レプリロイドのボディはビームセイバーやそれに準ずるものでなくては切れない。
その事実が剣の切れ味の恐ろしさを証明していた。続いてピンク色の生き物は信じられない速さで突きを繰り出す。
ゼロはそれを身を落とす事でかわし、右ストレートを体に打ち込んだ。その生き物の手から剣が離れる。手から離れた剣は星型のものになった。
それが散ったと思うと、次は傘を持っていた。ゼロはとっさに後ろに飛ぶ。
「くそっ!いくつ武器を持っているんだ!?」

続く
202NAME OVER:03/06/19 00:23 ID:???
続き

ピンク色の生き物は間合いを一気に詰め傘を広げた。ダメージはなかったが、視界が塞がれた。
傘をすぐに払う。しかし生き物はそこにいなかった。
(…上か!)
反射的に横に転がる。ゼロがいた場所に大きな質量を持った岩が落ちてきた。獲物を捕らえていなかったことを悟ると、
岩はピンク色の生き物に戻った。
(変身も出来るだと!?化け物か!?)
ゼロはこの生き物から殺気を感じていた。いや、殺気とは違う、敢えて言うなれば…、
「…純粋な、破壊衝動の塊…。」
生き残りたい、或いは名誉、そういった欲望は感じられない。ただただ破壊の為に存在する、そう言う、モノだ。
ゼロはその生き物の上に跳んだ。蹴りを放つ。案の定一撃目はよけた。それを見越して跳んだのだ。
着地と同時に足払いをくわえる。見事にその生き物の足を捕らえた。あいての身がまだ宙に浮いている間に拳を叩き込む。
転がっていく生き物。ゼロがたたみかけようとした時、その生き物は猛烈な勢いで周りの大気を吸い込み始めた。
ゼロも吸い込まれる。逆向きにダッシュをする事で逃れようとするが、じりじりと距離が狭まってゆく。
(くっ、このままじゃ犬死にだ)
ゼロは賭けに出た。思いっきり、跳んだ。そして持っている限りのダーツを投げつけた。
吸い込みによって加速したダーツは生き物の体に刺さった。
一瞬、吸い込みが止まる。
ゼロはこのチャンスを逃がさなかった。
ピンク色の生き物の体にタックル。
吹き飛ばされ、崖の下に落ちてゆく生き物。
「…やった、のか?手応えが、無かった…。」
ゼロはなにか不吉なものを拭い去れぬままその場を去った。

【「ロックマンXシリーズ」ゼロ 生存】
【「星のカービィシリーズ」カービィ 生死不明】