★村上春樹的就職活動U★

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54就職戦線異状名無しさん
これは実話であり、それと同時に寓話である。
そしてまた、我らが1990年代のフォークロア(民間継承)でもある。

僕は1979年に生まれた。1998年に中学校に入り、1998年に大学に入った。
そして、ミレニアム歓迎のとたばた騒ぎの中で20歳を向かえた。
だから僕は文字どおり90年代の子供たち(ナインティーズキッズ)であった。
人生のいちばん傷つきやすく、いちばん未成熟で、それ故にいちばん重要な時期に、
1990年代ののっぺりしていて焦燥感に満ちた空気を吸い込んで、
そして当然のことながら、宿命的にそれに酔ってしまったのだ。
テレビゲームの電子音からカラオケのためのくらだらないメガヒットポップス、
東洋人コンプレックスをふんだんにちりばめたR&Bまで、
BGMもばっちりそろっていた。

1990年代という時代には、確かに何か特別なものがあった。
いかに大人たちが「失われた10年」と広く謳っていたとしてもだ。
今、自分の自己分析のためにこうして思い出してもそう思うし、
その時だってそう思っていた。この時代には、何か特別なものがあると。


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我らの時代のフォークロア----高度資本主義後史