古事記は当時国家宗教としての色彩を濃くする仏教に対抗する目的で、
時の天皇、天武天皇によって奈良時代に国家政策的に作られた神話です。
仏教のもつ体系的な支配力に脅威をもった天武天皇は、
天皇家をなんとか崇拝の対象にしつつ、仏教に負けない宗教体系をつくろうと考えました。
そこで当時すでに交通のあったギリシャの神話を基に日本神話を作ったのです。
神道は仏教伝来前からあったかのように語られがちですが、
実は我々の知る神道は、縄文人のアニムズムとは似て非なるものです。
天武天皇の意図に適わず、仏教はその孫の聖武天皇の時期に国家宗教となりました。
天皇と外戚関係を結び、巧みに仏教国教化に向けて動く藤原氏に折れた結果になります。
それとともに、天皇家、神道の力は衰退していきました。