昨夜未明 本社
上司
「やめろ、そんな電波メールを送ったら我が社の信用は失墜する!弊社は前身である小川春之助商店時代から
お客様有っての商売をやっているんだ!2007年社長の遺憾な退任もあったが、それを乗り越えられたのもこれまでの
健全経営の賜物なのだ。大正、昭和、平成と私たちは変わること無く高い品質の鉛筆を学び舎やビジネスシーンに
届け続けてきたんだ。その歴史の重みを君如き若造に分かるのか!?
大体君が何気なく見ているトンボのマーク、そのマークの頭が下向きなのも『お客様に深く頭を垂れる商の姿勢』
の表れなんだぞ!就活生とは言え、明日は弊社のお客様・・・。そんな電波メールを送ることは許さん!
だいたいなんなんだ、この上から見降ろしつつ、且つ支離滅裂な文章は?君は神にでもなったつもりかね!?」
採用担当「一番大事なのは若者たちの命でしょう!!」
上司
「・・・そうか、君は敢えて電波メールを出すことで、選考を受けられなかった学生たちにウチをブラック企業だと
思わせて『あんな会社受けなくてよかったぜー』と安心させようとしたんだな。」
採用担当「・・・・。」
上司
「更にはES提出ができず、自暴自棄気味になり、彼らが暴徒と化してしまうことを恐れた。
災害で一番恐ろしいのは二次災害だ。彼らが北斗の拳よろしく民間人を襲撃するのを、君一人で防ごうとしたんだな。」
採用担当「・・・・・・。」
上司
「・・・分かった。君の好きにすればいい。だが、覚えておけ、君が一番非難を受けることになるんだぞ。」
採用担当「フフフ・・・私どうやら、かっこ良い役回りは似合わないみたいです。」
上司
「就職氷河期最後に咲く、義気の徒花か・・・。責任は全て俺がとる。送信を押しなさい。」