小学校に入学して間もなくバブルがはじけ、物心ついた頃は既に経済が低迷していた筆者にとって、
いわゆるバブル期がどんな時代だったのかはわからない。
その後もずっと景気が低迷し、ネガティブなニュースばかりが流れる時代の中で生きていると、
この低迷が「正常な状態」なのであって、「好景気ってナニ?それ、美味しいの?」とさえ思えてしまう。この感覚はおそらくバブル世代を知っている人とはあからさまに違う点である。
肌で感覚を味わったことがない―つまり「知らない」ということは、
確かに「世代」間の隔絶を生むように思うのだ。
そんな「世代」を擬人化した動画がニコニコ動画で話題になっている。
アップ1ヶ月にして17万回の再生を記録した「バブル・氷河期・ゆとり世代を擬人化してみた」は、
実業之日本社から刊行されている『ジェネレーションブラザーズ』(ゼロハチネット/著)を元にした動画マンガだ。
【ニコニコ動画「バブル・氷河期・ゆとり世代を擬人化してみた」】
『ジェネレーションブラザーズ』では「バブル世代」「就職氷河期世代」「ゆとり世代」この3つの世代を兄弟になぞらえて擬人化。
やたら顕示欲が高く、弟たちを見下すバブル世代(長男)、
ニートでやたら凶暴、そしてオタクキャラの氷河期世代(次男)、
そして要領がよく安定志向なゆとり世代(三男)が縦横無尽に駆け巡る。
ただ一世代違うだけで、キャラクターが大きく異なる。
これを現実に置き換えてみたとき、日本が混迷を続ける原因の一端が見える。「ゆとり教育」も結局は国家の指針で行われたものであり、その世代の人たちはゆとり教育を受けさせられた“被害者”であるのかも知れない。
自分が教え込まれてきた「常識」や「価値観」は、
世代を超えても通用するものではない。日本の経済や教育の罪深さを改めて知ることができるマンガである。
(新刊JP編集部/金井元貴)
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