ところが資本主義の世界では短い時間をかけて作られたものでも、高い評価を受ける物もある
アイディアとかその典型だし、そこから生まれる発明品もそうだな
たしかに素晴らしいアイディアを思いつく人は過去に膨大な勉強をこなしていて、
発明への対価はその勉強量への対価だといえば、納得できそうな気もしないではない
しかしアイディアの質や数がすべて勉強量に比例するかといえば、疑問は大いに残る
さっきからのプロダクトミックスの話の流れの中で、単一の船を造るほうが有利な点がある、
って話があったが、それは経験曲線理論でも説明が出来る
知ってるかもしれないが、同じ製品を連続して製造・販売していれば、一つの製品にかかる原価は逓減するって理論だな
これは、同じ製品を製造し続けることによって、労働者が学習し、より効率的な生産を行うようになること、失敗が減ることなどが原因だ
これによれば、最初の1個目の製品に掛かる原価と10個目、100個目にかかる原価はそれぞれ違うよな
なぜなら投入される労働の時間、つまり労働力の投入量が違うのだから
しかしところが、唯物論的な考え方による予想に反して、
市場では1個目の製品も10個目の製品も、もちろん100個目の製品も同じ値段で取引される
つまり、製造者(メーカー)の利益は逓増する
もちろん原価が下がることによって、他者との競争で優位に立つためにどんどん値段を下げてくるっていう戦術もある
そこは価値評価云々ではなく、販売戦略だ