「完璧な就職などといったものは存在しない。
完璧な絶望が存在しないようにね。」
僕が大学生のころ偶然に知り合った人事は僕に向かってそう言った。
僕がその本当の意味を理解できたのはずっと後のことであったが、
少なくともそれをある種の慰めとしてとることも可能であった。
完璧な就職なんて存在しない、と。
2 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:27:39
このスレの目指す方向性が分からん
春樹スレは例年あるみたいなんだけど、今年はまだないようだから立ててみた
それ以上の意味はない やってみたかっただけだ
4 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:31:53
毒されている
5 :
1:2009/03/24(火) 02:33:27
その帰りぼくは無意識のうちにビルのトイレで自分で自分を慰めていた
6 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:33:59
OK。わかった、確かに僕は無い内定だ。
それは僕が望むと望まざるとに関わらず決まっていたことだ。
7 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:36:15
今のこの無い内定の状況は昼下がりのコーヒーブレイクと何ら変わりはない。
8 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:37:59
ノルウェイとカフカ読んだよ
9 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:40:54
やれやれ。
僕はリクルートスーツに身を包んだ女学生を想いながら射精した。
10 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:42:00
11 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:43:16
>>8 オレは、それにプラスしてスプートニクとハードボイルドとねじまきとエッセイ集5冊くらい読んだお
12 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:46:02
>>11 そこまで呼んで何故最初の風の歌ピンボ羊ダンスを読まない
13 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:46:14
数を読んでみると、思ったほどセックスとオナニーと射精は出てこないんだよね
羊なんかでは結果だけ書いて詳細ははしょられてる
それを差し引いても「射精した」は名言だが・・・
風の歌〜ダンスの僕と鼠シリーズは言わずもがなだが、短編集も悪くない
「悪くない」というあたりが、また春樹的で良い
15 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:50:11
>>12 村上好きで全部集めてた彼女と別れたからであります。
16 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:53:43
僕には就活しかない、そう思っていた時期が僕にもありました。
>>15 ワンピース全部集めてた彼女と別れ、
4巻までしか読まなかった俺みたいなもんだな。
18 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:55:38
このスレ案外需要あんのね
19 :
15:2009/03/24(火) 02:57:16
>>17 4巻は短すぎだろww
オレ1年半は付き合ってたぞ!
ビロードの毛並みの目ん玉クリッとした春の熊と野原でゴロンゴロンするくらい付き合ってたんだぞ!
20 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:57:48
それは努力ではなく、ただの労働だ。
21 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:58:01
佐々木マキが挿絵やったのって題名なんだっけ?
22 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 02:58:10
そして人事は僕に不採用を告げた。
それから僕は何もしなかった。
本当に何もしなかったのだ。
働いたら負けだと思っていた。
23 :
17:2009/03/24(火) 03:05:49
>>19 二週間くらい付き合ったのだろうか。
彼女がいつも抱えていた無印良品の紙袋を思い出しながら、
僕は昨晩飲み残したニッカをグラスに注いだ。
24 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 03:08:00
風の歌萌え
25 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 03:10:27
26 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 03:10:51
内定が欲しい?
君はそんなんでマスターベーションしてるのかい?
やれやれだよ
27 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 03:12:19
ぼくは世界で一番タフな21歳になる。
28 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 03:20:16
それは概念としての就職活動であった。概念としての就職活動は木箱のように静かだった。
29 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 03:39:45
扉を開けるとそこには羊男と鼠が居た
「やあ、そろそろ来る頃だと思ってたよ」
そう言うと羊男は向かいの椅子を指差した
僕が座ると鼠は自己紹介をするように言った
何度も繰り返した自己紹介だ
今回も同じように言えばいい
しかし僕の口から何の言葉も発せられなかった
遠くでファジルサイの熱情が流れているのが微かに聞こえてきた
「聞こえなかったのか?」
羊男が言った
30 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 04:38:29
鼠は自己紹介もできないのかと薄汚く笑った
気がつけば僕の拳に鼠の血がこびり付いていた
「随分と荒っぽいんだな」
羊男はそう言いながら鼠を折りたたみ始めた
どうして鼠がそのように折る事が出来るのか僕にはさっぱり分からなかった
僕には分からない事だらけだ
鼠が折りたたまれ月に到達しようとする頃
ファジルサイの熱情が終わり革命のエチュードが始まった
何故この企業を受けたのか分からない
何故この大学に入学したのかも分からない
誰も正確に物事を理解している奴なんて居ない
世界は確率の波だ
「ねえ、弊社を愛してる?」
「もちろん。」
「入社したい?」
「今、すぐに?」
「いつか・・・・・・もっと先によ。」
「もちろん入社したい。」
「でも私が訊ねるまでそんなこと一言だって言わなかったわ。」
「言い忘れてたんだ。」
「・・・・・内定は何個欲しい?」
「3社。」
「外コン? メーカ?」
「外コンが2つにメーカが1つ。」
彼女はコーヒーで口の中のパンを嚥み下してからじっと僕の顔を見た。
「嘘つき!」
と彼女は言った。
しかし彼女は間違っている。僕はひとつしか嘘をつかなかった。
32 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 05:06:55
「登るんだ、内定はこの先にある。それは君にも分かっているはずだ」
僕は羊男に言われたとおり、鼠を登り始めた
血と油で滑り思うように進む事が出来ないし、
もう熱情もエチュードも聞こえてこない
大気圏を抜ける頃、ユキが隣に居ることに気がついた
「やっと気がついたのね」少女のように意地悪く笑う
「すまない。ただ登る事だけに集中していたんだ」
「あなたはいつもそう。何かを忘れて何かに私我身つく
何かを手に入れると何かを捨てる…あなたの何かってなに?」
34 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 05:10:36
自己PR?くだらないね。
くだらないさ。
風の歌を聞けは何回読んだかわかんねーな。でも全然話覚えてねーや。
37 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 05:30:08
やれやれ、僕は留年した
38 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 05:32:39
「分からない…僕には何も分からないんだ…」
「あなたはそれが何であるか分かっているはずよ。
ただ理解しようとしないだけ、あの頃のままね」
「あるいはそうかもしれない。しかし、僕にはどうすることもできない」
彼女の鼠には血は付いていない。折り目もとてもスマートだ。
「内定を取ってからもそう言い続けるつもり?」
彼女はいくぶん僕よりも登るのに慣れているみたいだ。
下から見る彼女の太ももは少し太いが決して醜いわけではなく、
むしろ健康的で魅力に感じる事ができた。
「綺麗な太ももだね」僕は春の風に舞う花びらのように自然に彼女を褒めた。
39 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 10:08:02
就活なんてくそくらえだ!
40 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 10:28:34
41 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 14:42:14
僕は、今日もいつもと変わりなくエントリーシートに記入をし、
最後に登録ボタンを押す。この行為を何十回となく繰り返すことが
果たして今後の人生に意味があるのかどうかわからない。
結論から言ってしまえば、どこかの企業の人事が気に入り、そこにひっかかりでも
すればよいのだ。
やれやれ。
住所を間違えて入力してしまったようだ。
もう駄目かもしれないな。パチン OFF。
と僕は思った。
42 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 14:56:44
なりきりスレ乙
もっと私を楽しませてくれないかしら?
43 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 16:49:58
そうか、ねじまき鳥クロニクルの岡田亨の気持ちが今わかった
就職先が決まらないってこんな感じなんだな
44 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 16:53:50
彼女はもう大分先まで登ったようだ
それでもまだ彼女の太ももは夜空に浮かぶシリウスのように強く主張し続けていた
どれくらい時間が経っただろう
ついさっき登り始めたように感じるし、何年も前から登り続けているようにも感じた
一つだけ言えることは僕にはもうこれ以上登る体力が残っていないということだ
やれやれ。
ふと手元をみると鼠がこちらをじっと見ていた
彼は諦めていないようだった
彼の目はまだ登れと言っているようだった
いや、そのとき僕の耳がどうかしていなければ確かに登れという声が聞こえた
45 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 18:01:49
しばらく鼠と目で語り合った後
深く息を吸い、腹に力を込めて息をはく。息吹だ
呼吸を戻し僕はまた登り始めた。内定はまだ見えない
青山の専門店で買ったスカイブルーのシャツは既に血で汚れてスミレ色になっていた
電話が鳴った。僕の携帯電話からマウリツィオのポロネーズが聞こえてくる
ポケットから携帯電話を取り出し電話に出た
「この度は当社の一時面接を受けていただきありがとうございました。
二次面接のご案内をさせて頂きます。4月1日10時30分より本社での役員面接です。
持ち物は履歴書、健康証明書、3x4の写真…」
僕は携帯電話を投げ捨てた
46 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 23:43:44
全て無駄なんだ確かなことなんて何一つ無い
大企業に内定しようと一生が保証されるわけじゃない
もうそんな時代は終わった僕はやりたいことをやる
確率の波に乗って漂い続けるんだ
羊男が内定を掴めと囁いた内定を掴んでレールに乗るんだと囁いた
違う…僕は波に乗るんだ レールなんか糞食らえ
ユキ…行っちゃ駄目だ。違うんだ、その内定は違う
僕らの求める内定じゃない、ユキを追いかけなければ…
僕は鼠の血油に邪魔されながらもシリウス目指した
47 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 23:46:42
>>46 先生、最後の一文は「シリウスを目指した」ですよね?
48 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/24(火) 23:53:45
ガーン…、そうです…スミマセン
ちょくちょく言葉が統一されてなかったりするのも許して
49 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 00:02:16
僕は面接の会場である本社ビルに到着した。
エレベーターに乗り込むと、そこにはピンク色のスーツを着た、太った女がいた。
「あなたも面接ですか?」
僕はそう言ってから後悔した。
ピンク色のスーツの太った女が面接を受けるというのは、何かが確実に間違っているからだ。
「面接、というのは何のことかしら」女は抑揚のない口調で言った。「そこには、メタファーが含まれているの?」
「いや、なんでもない」
本当になんでもないんだ、と僕は思った。
しかし僕が面接官であったならその太った女を採用する、とも思った。
50 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 01:50:16
追いついたときはもうユキは内定を手にしていた
「ほら見て、私内定取れたのよ。第一志望だったの」
そいつはユキではなく別の何かになっていた
太ももはもう日を置きすぎた大根のようになっていた
「何かって何?あなたは何で内定を取らないの?」
二本の大根を交互に動かしながら近づいてくる
「あなたレールに乗らないでどうするの?みんな乗っているわよ」
そいつが指差す場所には数え切れないほどのレールが通り
何人もの人間がレールに沿って身体を流れる血潮のように蠢いていた
「不安定な確率の波に乗ってどうするつもりなの?」
そいつの指が僕の頬に触れた
「内定なんて嫌というほどいっぱい取った。もう要らない。
いくつ取ったって同じだよ。やることは同じだもの」
と五反田君は少しあとで言った。
「愛が欲しい、ねえ、大変なことを君に打ち明ける。僕が欲しい内定は御社だけだ」
僕はぱちっと指を鳴らした。
「すごい。まるで神の言葉みたいだね。光り輝いてる。
記者会見をやるべきだね。そして『私が欲しい内定は御社だけです』って宣言するんだ。
みんな感動する。総理大臣に表彰されるかもしれない」
五反田君なら、本当にどんな内定だって取ってくるんだろうなぁ。
>>50 これの元ネタって何?長編じゃないよね?
最初全部オリジナルかと思って、うますぎだろと思った
>>51 俺の中で五反田君は谷原章介で再生されているw
54 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 02:22:00
ナカタはウンコがしたいです。
55 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 02:26:19
>>53 禿同
友人もそうだと言ってた
つかあれはシンクロ率400%だw
絶対に有り得ないだろうけど、もしダンスダンスダンスを映像化するなら彼しかいないなw
ただ、五反田君の完璧なイメージがあるから、1シーンごとに何十回でも取り直す完成度が欲しい
ノルウェイの森はどーなってんだ?
撮影開始してるはずだけど・・・黒歴史になる気がしてならないよ
59 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 07:21:48
俺もオモタ てかみんな思ってんじゃねー?
めくらやなぎが好きです
60 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 08:25:25
やっぱ谷原だよな!
ちょうどダンス読んでたからこのスレ見てびびったわw
61 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 08:26:24
文章にしたらかっこいい言葉も、映画にしたら単なる中二病や邪気眼映画になりそう
62 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 08:38:39
カフカ映画化した方がよかったんじゃね?
63 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 08:44:24
「たとえば予約票。僕は説明会に参加するために予約票を印刷したはずだ。
それがみつかれば、現実だってわかる。でもそれも駄目だ。
ばらばらになった記憶を辿ってみる。
僕は何処かの漫喫で予約票を印刷した。そしてそれを使って説明会に参加した。
予約票は何処かに捨てた。そういう気がする。
でも細かいところが思い出せない。
どこで予約票を印刷して、どこでそれを捨てたんだろう?
証拠がないんだ。
だいいち、僕は何の会社の説明会に行ったんだろう?
ただ名も知れないベンチャー企業としか覚えてないんだ。」
64 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 08:53:19
ナカタは直ぐに忘れてしまうのです。
65 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 13:55:45
僕っ子のおねえさんに抜いてもらうシーンとかエロス
66 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 13:56:52
ナカタはテニスサークルに所属しております
67 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 14:27:10
「自己PRをよろしくお願いします」
鼠、ジェイ、双子、妻、キキ。
「部屋」にはあらゆる人が入ってきて
彼らは僕といくらか交わりながら、いつか「部屋」から消えていく。
なぜなら彼らには彼らなりの場所があり、それはこの「部屋」ではないのだ。
僕だけがその部屋に留まり続けている。
僕だけが部屋の出口を見つけることができない。
いや、そもそも見つけようとさえしなかったのかもしれない。
果たして、僕のこの両手に残ったものとはいったい何だろう。
「私のセールスポイントは、あらゆることを便宜的に考えられる点です」
やれやれ、僕はこの20数年間でいったい何を残してきたのだろうか。
68 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 15:49:44
>>68 ごめん、俺
>>51だけどこれオリジナルじゃない
「純粋に吐き気がする」も悪くないけど、俺が一番好きな五反田君の台詞
オリジナルで書こうとすると、やはり何か違う出来になるんだよね・・・
70 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 16:58:56
71 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 17:02:44
村上大好きだからうけたw
72 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 17:27:50
それは皺…
このスレ好きすぎるw
74 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 20:40:37
ナカタさんネタやべぇwwww
75 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 20:58:28
なぜ皆さんそんなに笑っているのですか?
ナカタは頭が悪いので、よくわかりません。
76 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 22:02:10
今更だが
個人的に五反田君は小野大輔で演じられてる…
ナカタはうなぎが好きであまります。
就職が上手くいったらうなぎをたくさん食べようと思っております。
78 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/25(水) 23:54:38
いっぱいヌキヌキしてもらおうぜ!
79 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 00:09:19
それからどうなったか僕には分からない
あの時、僕の頬に触れたあいつは現実ではない何かそのものだった
不安、絶望、嫉妬、憎悪、傲慢、猜疑、虚栄心どの言葉でも的確には表せない
何だかとても気分が悪い、出来の悪いナポリタンを食べた気分だ
ナポリタンのソースがまだ拳にこびり付いていた、まだ酷く痛む
幸いシャツには飛び散っていないようだ
救急車とパトカーの音で辺りは騒がしくなってきた
東京駅近くの公園で僕は手を洗う
もう僕が乗ることができるレールは無くなった…
80 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 00:09:21
「ナカタはいつも試験に落ちていました。周りからは、可哀想とか頑張っててえらいと言われますが、ナカタは頭が悪いので、言われる事がよくわからないのです。
でも、これまで皆さんと一緒に旅をしてきて良かったと思います。無内定でも、こうやって皆さんと一緒にいると楽しく思います。」
ナカタさんは1つ1つの言葉を大事そうに発した。僕はそんなナカタさんといつまでも一緒にいて、いつか一緒に内定を取りたいと思った。
=========
次の日、ナカタさんは死んでしまった。
死ぬとこ省略すんなww
82 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 00:52:21
やれやれ
だぜ
84 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 01:18:34
「人事さん」と片桐は言った。
「人事くん」と人事くんは指を立てて訂正した。
「人事くん。どうして私のことをそんなに詳しく知っているのですか?」
「ぼくはだてに長く人事をやっているわけではありません。学生の見るべきところはちゃんと見ているのです」
「しかしね、人事くん」と片桐は言った。「私は学歴がいいというわけでもないし、社会のことも何も知りません。
真っ暗なこの時代に不況を相手に闘うには、やはり力不足だと思うんです。
私よりももっと優秀な学生はほかにいるでしょう。留学をやっていた人とか、体育会の主将とか」
「片桐さん、実際に闘う役はぼくが引き受けます。でもぼく一人では闘えません。ここが肝心なところです。
あなたがぼくのうしろにいて、『人事くん、がんばれ。大丈夫だ。君は勝てる。君は正しい』
と声をかけてくれることが必要なのです」
85 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 04:05:17
『今日午前9時30分頃、住菱銀行行員の中田正氏が面接中、
突然学生に殴打され意識不明の重体…』
不思議と落ち着いていた、最初からこうなることが分かっていたみたいだった
『学生は捕まっておらず、警察は東都大学三年生の…』
貯金を全額下ろし、駅のトイレで私服に着替えた
キャップを深く被り、スニーカーに履き替えた
幼い頃、駅前の大きなアーケードで遊んでいた事を思い出して
夜行バスに乗って仙台へ向かった
「ねぇ君」
甘い香水をつけた隣の席の女が耳元で囁いた
86 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 06:47:20
「つまりずっと以前から、小さな頃からやりたいと思っていたことを、私は職業にしてるわけ。
あなたの場合と同じように。ここに来るまでは決して簡単な道のりではなかったけど」
「それはよかった」と彼は言った。「すごく大事なことだよ、それは。
職業というのは本来は愛の行為であるべきなんだ。便宜的な結婚みたいなものじゃなくて」
「愛の行為」と彼女は感心したように言った。「それ、素敵な比喩ね。」
面接会場の待ち合い室の外で自動販売機のコーヒーを飲みながら固いソファーに腰かけていると、1人の女性が近づいてきた。
「こんにちは」と彼女が言った。
「こんにちは」と僕も言った。
「ねえ、ここで煙草を吸ってもいいかしら」と彼女が聞いてきた。
構わないと僕が答えると、彼女はリクルート用のこぎれいなカバンからセブンスターの箱を取り出し、その中の一本にテーブルに置いてあったマッチで火をつけた。
火をつけるとマッチは灰皿の中に捨てられた。
「あなたは吸わないの?」
彼女は煙を不味そうに吐き出してからそう聞いた
「やめたんだ」と僕は答えた。
「どうして?」
「元々なぜ吸い始めたのかよく分からなかったし、就職に不利になるって聞いたから」
「それで状況は少しは良くなったのかしら?就職の」と彼女は口元をいくらか曲げて微笑むように言った。
「いや、ならなかった。全く関係なかった。そもそも僕は就職に対しては十分すぎるくらい不利だったんだ。
煙草を辞めるぐらいで何かが劇的に変わることなんてあり得ないし、僕もその事は分かっていた。
でもなんとくやめたほうが良い気がしたんだ。気休めみたいなものかもしれないけどそこからスタートしたかった。
スタートしようと思ったんだ。その小さな一歩のしるしとして僕は煙草を辞めた。それだけだよ」
「小さな一歩のしるし」
「うん」
言い終えてから僕は少し後悔した。喋りすぎたような気がした。
「人類にとっては小さな一歩だが、私にとっては大きな飛躍である」
暫くしてから彼女はそう言った。
僕は思わず笑った。彼女も笑った。
笑った時に煙草の灰がリクルートスーツのスカートの上に少し落ちた。
窓から差し込んだ西日が当たって、その灰がきらきらと輝いて見えた。
「ねぇ、私たちは友達になるべきだと思うの」
「そうかもしれない」
そう言うと僕は残りの冷めたコーヒーを一気に飲み込んだ。
相変わらず味はしなかったけれど、その日面接で感じた嫌なイメージもそれで一緒に飲み込んでしまうことにした。
88 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 11:31:10
先生、今月末締め切りの原稿の進み具合はいかがですか?
そうそう、うまいじゃないか。
僕は面接中の人事とペッティングした。
90 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 11:52:15
僕は携帯を握りしめていた。
リクナビモバイルを開き、企業検索から今日説明会の予約をする企業を探す。
説明会予約をクリックし、予約開始時間である12時を待つ。
手汗をかくほど携帯を握りしめて12時を待っているヤツがたくさんいると思うと、なんだか滑稽に思えてきた。
その滑稽な集団に自分が属し、見知らぬ人間と席の奪い合いをする。
同じ仲間でありながら、淘汰しあう存在。そんなものに虚無感を覚えた。
12時になった。
僕は「説明会予約画面はこちら」を急いでクリックする。
東京4月1日午前10時開始を必死に探す。
ボタンを押す。
予約申し込み確認画面が出た。
再び予約ボタンを押す。
僕は勝利を確信した。こんなに早く予約にたどり着けたヤツはいないだろう。
表示された画面を見ると、なぜかそこには「この時間帯は予約出来ません。」の文字の羅列があった。
僕は冷静にトップ画面に戻り、スケジュールを確認する。
そこには予約したはずの説明会が記載されていなかった。
完全に僕の敗北だ。僕が落胆している瞬間、ほくそ笑んでいるヤツは日本にどれだけいるのだろう。
今日も負けだ。説明会の予約を取る時点で既に負けている。僕は内定を取れるのだろうか。
91 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 13:19:39
「もし、ジョン・コルトレーンがジェネラリストだとしたら」
僕は日に焼けたテニス・シューズのような彼女の肌を見つめながら言った。
「まさか。ありえないわ」
彼女は真っ直ぐに僕の目を見つめて答える。
「もしも、仮定の話だよ、もちろん。もしも、何らかの恣意的な力が働いて、彼がジェネラリストだったとすれば?」
「簡単よ」
彼女の細長い5本の指が、半ダースほどのピーナツをつまむ。
「ジェネラリストの存在手段が変わるだけ。そんなことよりこのボイルド・エッグの塩加減のほうが重大よ」
その瞬間、僕のペニスのジェネラリストは頂点に達した。
92 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 14:54:06
みんなうめーな、装飾文がすげーそれっぽい
ねじまき読み直して自分の文章にどん引きしたわ
「さて」人事が面接後に言った「そろそろ昼飯にしますか?」
「もう質問も終わったようだから帰ります」
「それがそうもいかんのです」
「どうして?」僕は訊いた。
「あなたがこう述べましたという書名が要る」
「いいですよ署名しましょう」
「その前にまず内容に間違いがないかどうか読んで確かめてください」
僕は数枚のESをゆっくりと丁寧に読んだ。200年くらいたったらこういう文章にも風俗的価値が出るかもしれないな。
病的といって良いくらい細かくて実証的だ。
都会で生活する22歳の就活男性の生活がかなりありありと浮かび上がってくる。
94 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 17:58:32
人事「自己PRをお願いします」
ナカタ「ナカタは猫とお話するのが得意なんです」
95 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 18:36:46
入社後面談で久しぶりに人事を見た。ナカタさんは人事に親近感さえ抱いていた。
「君は面接で猫と話すのが得意と言っていたね?」
「はい、ナカタは猫とお話しするのが得意です」
「じゃあ、ちょっと見せてもらってもいいかな?」
そういうと人事は足元にいた猫を抱き上げ、机に置いた。
「はい、ナカタは猫とお話しするのが得意なのです。」
しかし、ナカタさんは猫と話す力が無くなっていた。
96 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/26(木) 19:21:20
87が秀逸だな
97 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/27(金) 01:07:06
「面接をブッチするのは楽しい?」とマリは質問する。
「うん。面接をブッチするのは、メガンテを唱えることの次に楽しい」
「メガンテを唱えたことはあるの?」
高橋は微笑む。微笑みを浮かべたまま、時間を置く。「いや、メガンテを唱えたことはない」と彼は言う。「たとえだよ。あくまで」
「プロの市民になるつもりなの?」
彼は首を振る。「僕にはそれほどの才能はない。醜活をやるのはすごく楽しいけどさ、それで飯は食えないよ。
何かをうまくやることと、何かを本当にクリエイトすることのあいだには、大きな違いがあるんだ。僕はけっこううまくESを通過することができると思う。
褒めてくれる人もいるし、褒められるともちろん嬉しい。でもそれだけだ。だから今月いっぱいでバイトをやめて、醜活からは足を洗おうと思ってるんだ。」
「何かを本当にクリエイトするって、具体的にいうとどういうことなの?」
「そうだな……醜活を深く心に届かせることによって、こちらの身体も物理的にいくらかすっと移動し、それと同時に、聴いている方の身体も物理的にいくらかすっと移動する。
そういう共有的な状況を生み出すことだ。たぶん。」
「むずかしそうね」
98 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/27(金) 01:16:18
ナカタはパンツスーツが好きなのです。
100 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/27(金) 04:42:40
しかし、小説にはあそこまで灰汁の強い文章は出てこないからびっくり
103 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/28(土) 01:03:03
やれやれ、今日もまたageる仕事が始まる。
104 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/28(土) 01:20:39
僕の考えていることが本当に正しいかどうか、わからない。
でもこの場所にいる僕は面接官に勝たなくてはならない。これは僕にとっての戦争なのだ。
「今度はブッチしないよ」と僕は人事に言った。「僕は内定を取って帰る」
僕は飲み物を机に置き、メガネを掛け、愛用の鞄を手に取った。そしてゆっくりとドアに向かった。
>>102 元にしてるのはアフターダークでしょ
ホントみんなうますぎww
106 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/28(土) 02:53:13
ただステップを踏み続けてるだけなんだ
109 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/29(日) 06:57:18
「趣味の一つに音楽鑑賞ってあるけどどんな音楽を聞くの?」
その面接官はふと何かを思い出したようにそう聞いてきた。
「実をいうと趣味というほどのものでもないんです。
マイルス・デイビスのモダンジャズからベートーヴェンの協奏曲まで、
普通の学生が聞くような音楽を幅広く聞いてるんだけなんです」
「ふうん」
「ローリング・ストーンズやレッド・ツェッペリンなんかも聞きます。たまにですけど」
「遊助は聞かないの?」
「はい?」
「遊助は聞かないの?」
僕の頭は少し痛みだしていた。
110 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/29(日) 09:38:11
111 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/29(日) 11:18:48
112 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/29(日) 14:03:27
あなたが就職活動から得るものは殆んど何もない。
内定先に置き換えられたプライドだけだ。
失うものは実にいっぱいある。
歴代大統領の銅像が全部建てられるくらいの交通費と取り返すことのできぬ貴重な時間だ。
「私は本当に―、―本当に御社に入りたいんです」
彼女は慎重に、言葉を選びながら話した。時折彼女の声は大きく震えた
(まるで高い丘の上で喋っているようだった)。
「私が御社で働いて、貴方のような上司がいて。信頼できる同僚がいて。
でもそれは永遠ではない。おそらく、唐突に失われてしまう」
「そんなことはないよ」僕は言った。「少なくとも僕はいなくなったりしない。
ところで、君はなぜ同業他社を受けなかったんだい?」
「なぜ受けなかったですって?」彼女は言った。「あなた本当にそんなことも分からないの?
私が電機メーカーならどこでもいいと思ってるの?なんであの夜私が工場見学にいったと思ってるのよ?私が・・・」
彼女の言葉はそこで止まってしまった。まるで次に喋る言葉をどこかに落として失くしてしまったかのように
ぱったりと突然言葉を止めてしまったのだ。
「最後になりますが、何か質問はありますか?」
「二つだけよろしいでしょうか」
「三つでもいいんですよ」
「二つで結構です。一つは、私は本当に御社を志望しているということ。もう一つは、私がいたということを
決して忘れないでほしいということ。よろしいでしょうか」
「はい、分かりました。それでは本日の選考結果については、2週間以内に――」
それでも記憶は遠ざかっていくし、僕はあの地点から確実に遠ざかってしまっている。
結局あの子に明確な志望動機などなかったのであろう。それは今になって初めて実感として得られるものである。
そう考えると僕はたまらなく悲しい。なぜなら彼女は就職活動すらする気がなかったのだから。
115 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/30(月) 00:56:54
なんかレベル上がってるなww
116 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/30(月) 01:46:22
みんな何学科?おれ英米文。日本文学とか専攻してるやつ多いの?それとも趣味の範囲か
「面接はこれで終わりだけど、言いたいことがあれば帰る前に言っちまったほうがいい」
と僕は言った。そして言ってしまってから言わなければよかったと後悔した。毎度のことだ。
いったいどれだけの学生が面接で本当に聞きたいことを聞くというのだろう?
本当に聞きたいことというのは、面接の場には不適切なものだ。
それでも僕ら面接官は質問がないか尋ねるし、学生はそのためにわざわざ質問を用意してくる。
くだらない手続きだ。内々定受諾書のように、就職活動には意味のない手続きがたくさんある。
「はい、私は――」
学生が口を開く。僕の興味が僕の体から離れる。学生は喋る。僕の意識は井戸に沈んでいく。
120 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/31(火) 00:45:10
人事「最後に何か質問はありますか?」
ナカタ「ナカタはウンコがしたいのです。トイレはどちらになりますか?」
>>120 つまんね
ナカタは〜です。って書けば面白いと思ってんの?
才能なさ杉。死んだほうがいいよ
122 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/31(火) 04:39:59
それは言い過ぎだ。確かに
>>120はつまらないし、ここに書き込むだけの才能は無いそれは認めよう。
だけど、物事には節度があるんだ。わかるよね?「死んだ方がいい」これは明らかに節度を越えた酷い言葉だ。
上等な料理にハチミツを塗りたくるみたいに酷いよ。
決して彼に対して謝罪しろとは言わないけれど、今後の人との接し方をもう少し考えていった方が良いと思う。
それが君の為でもあるし、他人の為でもあるんだ。言い方一つ変えるだけで人生が変わる場合だってあるんだ。
うまく説明できない。でもそういう気がする。
話すことが沢山あるときは少しずつ話すのが一番良いんだ。
そう思う。
あるいは間違ってるかもしれないけど。
124 :
就職戦線異状名無しさん:2009/03/31(火) 22:38:09
>>121 才能って(笑) ただのギャグじゃん。いっちょ前に批判したきゃ
>>122みたいに自分の書いた上でしたまえ。
126 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/01(水) 01:02:56
127 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/01(水) 01:07:32
128 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/01(水) 19:42:32
あげ
129 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/01(水) 20:28:41
「1時間、時間を欲しいの」、唐突に女が言った。
僕は人の声色に記憶にはかなり自信を持っている。それは知らない声だった。
「失礼ですがどちらの会社ですか?」と僕は礼儀正しく尋ねてみた。
低くやわらかく、とらえどころのない声で、彼女は大量採用で有名な都市銀行の名前を口にした。
「悪いけど、今スパゲティーをゆでてるんです。あとでかけなおしてくれませんか」
就活というのはそういう世界なんだ。テニサーリーダーとバイトリーダーとゼミ長をやっていれば
優秀だと思われる。くだらないことだ。何の意味もない。僕が言いたいのは必要というものは
そういう風に人為的に作り出されるという事だ。自然に生まれるのではない。
でっちあげられるんだ。誰もやっていないことが、やっていた事として語られるんだ。簡単だよ。
情報をどんどん作っていけばいいんだ。サークルはテニサーです。バイトはバイトリーダーしてます。
ゼミではゼミ長をやってます、ってね。何度も何度も反復して情報を与えるんだ。
そうすりゃ人事は頭から信じこんじまう。サークルはテニサー、バイトはリーダー、ゼミはゼミ長ってね。
ある種の人間はそういう事で差異化が達成されると思ってるんだ。みんなとは違うと思うのさ。
そう言う事によって結局みんなと同じになってることに気がつかないんだ。
132 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/02(木) 00:37:13
非通知で携帯電話が鳴った。
面接で失敗して電話に出るような気分ではなかったけれど、
あまりしつこく鳴っているので僕は仕方なく電話に出た。
「僕が今どんな格好をしているか想像してごらん」
僕は人の声色に記憶にはかなり自信を持っている。
そいつの声は友達でもバイト先の店長でも人事の声でもなかった。
「どなたですか?」僕はあくまでも簡潔に問いただした。
「1時間あれば僕と分かり合えるよ。想像してごらん、僕がどんな格好か」
「あなたがどんな格好であろうと興味はないし、今はこんな電話に付き合ってる暇はないんです」
僕は素直に思ったことを口にして、これ以上電話の相手をするのをお断りしたつもりだった。
「さっきシャワーを浴びてね…、今何も着ていないんだ…。まだ陰毛が濡れているよ。んふ」
酷い悪寒がした。僕は唐突に思い出した、そいつはあの銀行のリクルーターに間違いなかった。
「想像してごらん。僕の陰毛はまだ濡れている。その間からバベルの塔のようにそそり立つ僕の…」
僕は電話を切って電源を消した。
ねじまき鳥読み直してるとこだったのに読めなくなるじゃないかwww
134 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/02(木) 00:56:29
こんなん序盤もいいとこだろw
自己PR。
面接官の前に出て、自分についていろいろと喋る。
僕はこれが本当に苦手だ。
いや、苦手というだけではない。僕はそのような行為の中に何の意味を見出だすこてもできなかったのだ。
僕が僕自身についていったい何を知っているだろう?
僕が僕の意識を通して捉えている僕は本当の僕なのだろうか?
ちょうどテープレコーダーに吹き込んだ声が自分の声に聞こえないように、僕が捉えている僕自身の像は、
歪んで認識され都合良くつくりかえられた像なのではないだろうか?
……僕はいつもそんな風に考えていた。
自己PRをする度に、人事の前で自分について語らなくてはならない度に、
僕はまるでESを勝手に書き直しているような気分になった。
いつも不安でしかたなかった。
だからそういう時、僕はなるべく解釈や意味づけの必要のない客観的事実だけを語るように心掛けたが
(僕はバイトをしていました。ゼミをやりました。サークルには入っていませんでした。等々)、
それでもなんだか架空の人間の架空の事実を語っているような気がしたものだった。
そしてそんな気持ちで人事の話を聞いていると、彼らもまた彼ら自身とは別の何かの話をしているように僕には感じられた。
我々はみんな架空の世界で架空の空気を吸って生きていた。
でもとにかく、何か喋ろう。
自分について何か喋ることから全てが始まる。
それがまず第一歩なのだ。正しいか正しくないかは、あとでまた判断すればいい。
僕自身が判断してもいいし、企業の人事が判断してもいい。
いずれにせよ、今は語るべき時なのだ。
136 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/02(木) 22:37:19
初期の春樹っぽいな
137 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/02(木) 23:02:23
いままで行なっていた面接は残像だったのかもしれない
ありもしない内々定に
吸い寄せられるように手を伸ばす
しかし
うす暗い部屋を照らす
その小さな灯火は
いつもボクの指先のほんの少し先にあった
「お前、どの企業受けるんだよ」
「信越化学です」
「信越化学を受ける人間だったら俺と友達になれそうだな」
「永沢さんはどんな企業受けてるんですか?」
「東京ガス、大陽日酸、JR東海かな。俺は時間の洗礼を受けている企業しか認めない」
「大陽日酸はまだ創立100年もいってないんじゃないですか?」
「大陽日酸くらいの企業だったらもうそれは十分洗礼を受けてるんだよ」
永沢さん外務省に行ったんだよな
エリート中のエリートだな・・
自分に同情するな。
自分に同情するのは下劣な人間のやることだ
永沢さん、あなたは立派ですよ
「永沢さん、今までに100社から内定もらったって本当ですか?」
と僕は聞いた。
七十五社くらいじゃないかな、と彼はちょっと考えてから言った。よく覚えていないけど
七十社はいってるよ、と。僕が一社しか内定をもらっていないと言うと、そんなの簡単だよ、お前、と彼は言った。
「今度俺とやりに行こうよ。大丈夫、すぐにやれるから」
本当にそれは簡単だった。面接に入るなり面接官が何を求めているのかを察し、言葉を見繕って
返答する。名前や学歴なんか関係ない。履歴書を出さない限り身元だって知れたもんじゃない。
後は最初についた嘘に矛盾しないよう返答していれば、会社は簡単に内定を出してくれた
(世界はそういった会社で充ちていた)。
僕は内定をもらうのはそんなに好きではなかった。確かに選ばれているものという感覚は得ることができたが、
内定後の人事との懇親会や、辞退の連絡のものものしさがキライだった。
「ねえ、ちゃんと他の会社辞退してくれた?今年ウチの会社全然人とらないんだから」
そういうのが僕は嫌いだった。
かっけーwww
僕は三回か四回そんな風に内定をもらったあとで、永沢さんに質問してみた。
こんなことを七十回もつづけていて空しくならないのか、と。
「興味のない企業をまわって得るものなんて何もない。疲れて、自分が嫌になるだけだ。そりゃ俺だって同じだよ」
「じゃあどうしてそんなに一生懸命やるんですか?」
「それを説明するのはむずかしいな。
ほら、ドストエフスキーが賭博について書いたものがあったろう?あれと同じだよ。つまりさ、可能性がまわりに充ちているときに、
それをやりすごして通りすぎるというのは大変にむずかしいことなんだ。それ、わかるか?」
「なんとなく」
「時代がかわる、不況になり、企業が不安になってうろうろする。
企業は新しい人材に何かを求めていて、俺はその何かを彼らに与えることができるんだ。
それは本当に簡単なことなんだよ。水道の蛇口をひねって水を飲むのと同じくらい簡単なことなんだ。
企業なんてアッという間に落とせるし、向こうだってそれを待ってるのさ。
それが可能性というものだよ。そういう可能性が目の前に転がっていて、それをみすみすやりすごせるか?
自分に能力があって、その能力を発揮できる場があって、お前は黙って通りすぎるかい?」
146 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/04(土) 14:21:25
なんて秀逸
147 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/04(土) 16:29:57
読み込んでるな
148 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/04(土) 17:43:43
142の元ネタなんだっけ…
ノルウェイの森
永沢さんが100人の女と寝たってくだり
150 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/04(土) 19:58:09
春樹読んでるみたいだ…
151 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/04(土) 20:01:47
これ読んだら女落とすのと内定もらうのってほんと似てるんだなーて思うわ
そういや内定もらいまくってた先輩が
就活と合コンは一緒だって言ってたな
>>152 まじかw
合コンしたことないけどどちらもゲーム感覚なのかな
とりあえずノルウェイの森を読み返したくなった
ホント巧い奴ばっかで読んでて楽しい
155 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/05(日) 01:22:08
>>154 ほんとだよw
遊助フイタわmjdwwwww
「き、君はどの業界を志望してるの?」と彼は訪ねた。
「商社」と僕は答えた。
「商社って卸と小売の仲介とかするの?」
「いや、そういうのじゃなくてね。海外にプラントを建ててさ。資源が足りない日本にエネルギーを供給するんだ。
そうやって日本を豊かにさせたいんだよ。」
既存エネルギーに頼っていても資源はどうせ有限なのにさ、と彼は言った。僕だってそれは分かってる。
商社のパンフレットにそう書いてあっただけだ。
「でもとにかくそういうのが好きなんだね?」と彼は言った。
「別に好きじゃないよ」と僕は言った。
その答えは彼を混乱させたようだ。興味がない会社に入って興味がないことをやる、ということに
理解ができないようであった。
「ぼ、僕は地球に優しいエネルギーを使うことで、文明の発展に伴う自然破壊を食い止めようと思って、り、理系に
進学したわけなんだよね。それなのに君は、日本という単位でしか物事を見ていない。そしてその業務にも興味がない。
そ、そこまで分かっているならなぜ君は商社を希望するんだい?」
彼の言っていることの方が正論だった。僕は説明をあきらめた。
「面接はどうしたんだ?」
僕は思い切ってそう訊ねてみた。
鼠は手の甲で口についた泡を拭い、考え込むように天井を眺めた。
「はっきり言ってね、そのことについちゃあんたには何も言わないつもりだったんだ。
馬鹿馬鹿しいことだからね。」
「でも一度は相談しようとしただろう?」
「そうだね。しかし一晩考えて止めた。世の中にはどうしようもないこともあるんだってね。」
「例えば?」
「例えば虫歯さ。ある日突然痛み出す。
誰が慰めてくれたって痛みが止まるわけじゃない。
そうするとね、自分自身に対してひどく腹が立ち始める。
そしてその次に自分に対して腹を立てて
ない奴らに対して無性に腹が立ち始めるんだ。わかるかい?」
「少しはね。」と僕は言った。
「でもね、よく考えてみろよ。条件はみんな同じなんだ。
採用を取りやめた企業にエントリーしたみたいにさ。
もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いのもいる、
タフなのもいりゃ弱いのもいる、金持ちもいりゃ貧乏人もいる。
だけどね、人並みはずれた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。みんな同じさ。
内定を持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、
内定を持ってないやつは永遠にどこも内定を持てないんじゃないかと心配してる。
みんな同じさ。だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも
強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。
そうだろ?強い人間なんてどこにも居やしない。
強い振りの出来る人間が居るだけさ。」
「ひとつ質問していいか?」
僕は肯づいた。
「あんたは本当にそう信じてる?」
「ああ。」
鼠はしばらく黙り込んで、ビール・グラスをじっと眺めていた。
「嘘だと言ってくれないか?」
鼠は真剣にそう言った。
>>157 めっちゃいいわ。心に響く。
なんかありがとうw
金を内定に変えただけだろw
161 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/05(日) 17:30:07
1Q84!?
>>159 ごめん、
>>160の言うとおり、95%以上は原文ママw
みんなみたいに完全オリジナルとかオリジナル率高めの文章は俺には書けそうにないから
できるだけ原文のまま就職活動に通じる文章ひっぱってきた
>>161 単行本で全2冊ってことは、合計3,000〜4,000円ってとこか
ロンググッドバイを買い控え続けてる俺にはキツイな 買っちゃうんだろうけどw
2000ページ?!やれやれ。
165 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/05(日) 22:14:05
>>161 >2000ページってことは単行本か・・・文庫で出て欲しかった。
え?
166 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/05(日) 23:52:22
1984年ってなんかあったか?
生まれる2年前だな
>>165 まあ、新刊は単行本で出るのが普通だよな
168 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/06(月) 21:12:43
あげとく
村上春樹好きって履歴書に書いたら面接でつっこまれてアウアウした
ちゃんと読んでるのなら問題ないだろ
どんなこと突っ込まれたん?
村上春樹ほど何も学べないものは無いだろ…
強いて言うなら、何も学べないということを学べる
いや、でもけっこう名言・迷言が多いし、学べることも多いと思う
本から何か学べるなんて思ってる奴は糞だ、まるっきりの糞ったれだ。と五反田君は言った。
176 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/07(火) 22:22:37
君は何かを学ぶために呼吸しているのか?
177 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/07(火) 22:23:44
村上春樹よりその手の文学だったらサリンジャーの方が好きだな
つか村上春樹もサリンジャー好きそうだよね
好きそうっていうか好きなんじゃないかな?
ノルウェイで「僕」がライ麦畑の主人公みたいな話し方だとミドリに言われてた気がする
他にもサリンジャー絡みは色々あったと思う たぶん
サリンジャーの翻訳も出してるだろ
2ちゃんのコピペとノルウェイくらいしか読んだこと無いって人多そうだな
フラニーとゾーイーおぬぬめ
いや、オリジナルのはほとんど読破したけど
翻訳物には一切手をだしてないから知らんかった
>>179 そうだっけ
全く記憶にないや
フィッツジェラルドが好きなのは覚えてるんだけど
春樹以外の作家の○○的就職活動ってスレも見てみたいけどすぐ落ちそう
184 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/08(水) 23:01:15
僕はついに学校の就職課にむかった
就職課とはずいぶん前時代的な響きを持つ言葉だと思う
アドバイザーとして24、5の女の子が対応してくれた
彼女はあまりぱっとしない女の子だった
服装も顔つきも平凡だ
しかしもちろん、僕にとってはそんなことはどうでもいい
僕ががっかりしたのは彼女がこの手の熟練とはとても思えなかったからだ
僕は彼女に現状を説明した
どうして内定がないのかをできる限り悲観的に伝えてみた
「私は学生に会うと、就活状況を10分間しゃべってもらうことにするの
どうして内定がないのか、相手のしゃべった内容とは正反対の観点から
相手を捉えることにしてるの
こういうのって間違っていると思う?」
「いや」といって僕は首を振った「たぶん君のやり方が正しいんだと思う」
「その方法をあなたにあてはめてみると、こうなると思うの」
彼女はボールペンで何かを書き込みながら言った
「つまりあなたの就活が駄目なんじゃなくて、お祈りを求めているのが
あなたじゃないかってね。それは間違ってる?」
「すごいよ」と僕はしぼり出すように言った「同じ人間じゃないみたいだ」
「そのとおりよ」と彼女は言った。
185 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/08(水) 23:06:03
お前ら凄いな
オリジナルなのかどうなのか分からんが、アレンジでも凄いよ
>>183 チョイスが微妙だけどやってみた
「いい質問だ。あたしはね、いーたん。奇を衒ったりしょうもない事を話されるのが大嫌いなんだよ。
ベッタベタにありふれた、視野を広げるために海外留学するような、そんなPRが好きなのさ。
お約束の展開、王道のストーリー、どっかで聞いたことのあるサークル副部長に、誰もが知ってるアルバイトリーダー。
使い古されたスポーツの全国大会にありふれた優勝、練習馬鹿に合宿馬鹿。
大人数を纏め上げた経験にスケールの大きい成果。そういうのがほんっとうに大好きなんだ」
「そ。意外性なんて必要ない、驚きなんて必要ない。仕掛けは陳腐(チープトリック)で構わない……。
高学歴には王道こそが相応しいんだ。勉強(笑)や研究(笑)は所詮低学歴の役回りだろ。そうは思わないかい? ん?」
オリジナルっていうか、作品中の文章の単語変えて継ぎ接ぎしただけじゃん
190 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/09(木) 01:17:29
187が誰か分からないけど、俺も続いてやってみる
「正直言って憎かった。私の方が企業研究もしたし自己分析もしたし他己分析だってした。自信があった。
それなのにあいつが内定取るなんて許せない。なんとなく入った大学で適当に誇張した自己PRして、
まんまと面接官騙してさ。口が上手いだけで結局考えることは私利私欲のことだけなのにさ。」
A子の胸の底で燻る憎悪の火は直ぐに全身を覆った。しかし、A子はやがて広がった炎の中に
B子に対する嫉妬が見えていることに気が付いた。
誰か宮本輝でやらないか
193 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/10(金) 22:35:08
はげ
194 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/10(金) 22:41:44
ごめん、春樹じゃないけど
大学四回生の春までの三年間、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。
異性との健全な交際、学問への精進、肉体の鍛錬など、社会的有為の人材となるための
布石の数々をことごとくはずし、異性からの孤立、学問の放棄、肉体の衰弱などの
打たんでも良い布石を狙い澄まして打ちまくってきたのは、なにゆえであるか。
責任者に問いただす必要がある。責任者はどこか。
私とて誕生以来こんな有様だったわけではない。
生後間もない頃の私は純粋無垢の権化であり、光源氏の赤子時代もかくやと思われる
愛らしさ、邪念のかけらもないその笑顔は郷里の山野を愛の光で満たしたといわれる。
それが今はどうであろう。鏡を眺めるたびに怒りに駆られる。
なにゆえおまえはそんなことになってしまったのか。
これが現時点におけるおまえの総決算だというのか。
最初の一行以外原文ママだけど、今まさにこんな心情
今思い返して見ても、僕たちの進もうとしていた道を閉ざしてしまった闇はあまりにも凶悪だった。
僕は家でトゥーランドットを聞き、バヴァロッティに身震いし、ロッテンバーグのコーヒーを起きぬけに一杯飲んでいただけ。
なにも悪いことなどしてはいない。それどころか何もしていない。
「違うね、君は確かに罪を犯していたんだ」
スミノフと呼ばれる中年が言った。
「君は確かに悪事を犯していたんだ。毎晩体中を酒で満たし、24インチのディスプレイにかじりついて、まるで下着を変えるように女を替えそこに射精した。
君は君の日常が快楽にあふれているのを全身で感じていただろう。その快楽そのものが君の犯した罪なんだ」
「でもそれは僕だけがしたことじゃない。誰もがしてることなんだ」僕は反論した。
「そう、誰もがしていることなんだ。君のまわりにあふれるシホンシュギでは誰もが罪を犯しているんだよ。その罪を抱えきれなくなったとき、シホンシュギは怒って君たちを困らせる。
そう、100年に一回くらいの頻度でね」
◆
「やれやれ」と僕は言った。どうやら僕が就職できないのはあらかじめ決められていたことらしい。
それを決めたのが誰かなんてことは、やはり僕にはわからなかったし分かろうとも思わなかった。
>>195 森見か
春樹以外で頑張る人が多いなら別スレ立てたほうがいいかもね
文体模写スレとか
199 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/11(土) 21:46:50
そんな需要無いだろうし
このままでよくね。スレもったいない
これから中小探しだ…
200 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/13(月) 18:48:35
「そのとき思ったわ、私。こいつらみんなインチキだって。
適当に偉そうな言葉ふりまわしていい気分になって、新入生
の女の子を感心させて、スカートの中に手をつっこむことし
か考えてないのよ、あの人たち。そして四年生になったら髪
の毛短くして三菱商事だのTBSだのIBMだの富士銀行だのにさ
っさと就職して、マルクスなんて読んだこともないかわいい
奥さんもらって子供にいやみったらしい凝った名前つけるの
よ。何が産学共同体粉砕よ。おかしくって涙が出てくるわよ。
(以下略)」
そんなとこちっともさっさと就職出来ないんだがw
それともスカートの中に手を突っ込むことへの熱意が足りないのか?w
ノルウェイが書かれたのはバブル崩壊前だし、舞台も早稲田だからねぇ
そういう背景と、文脈から想像される誇張的な表現を加味すれば
まぁ納得できる範囲かと
202 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/13(月) 19:18:29
「さぁ、もうこんな面接は辞めようぜ」と僕は言った。
「君みたいなスカスカ女には限りなくうんざりだよ。はっきり言わせてもらえればね」
やれやれ、僕がそう言うと人事はもう怒りまくったね。そんなこと口に出すべきじゃなかったってことはわかっているんだよ。それに普通の場合なら、僕はそういう言い方はしなかったはずだ。でもその直接僕はミンティ●を食べてしまっていたんだ。
203 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/13(月) 19:20:29
でも村上春樹自身も早稲田だったけど就活
全然だめだったって言ってたな
しかし自己PRをしようとするとき、ぼくは常に軽い混乱に巻き込まれることになる。
ぼくが自己PRをするとき、そこで語られるぼくは必然的に、語り手としてのぼくによって
−−その価値観や、感覚の尺度や、観察者としての能力や、様々な現実的利害によって−−
取捨選択され、規定され、切り取られていることになる。
とすれば、そこに語られている「ぼく」の姿にどれほどの客観的真実があるのだろう?
ぼくにはそれが非常に気にかかる。
というか、昔から一貫して気にかかってきた。
しかし世間の多くの人はそのような恐怖なり不安なりをほとんど感じていないように見える。
人々は機会があれば、驚くほど率直な表現で自己PRをしようとする。
でもぼくは「傷つきやすい」人間が、他の人々の心を無用に傷つけるところを何度も目にしてきた。
「正直で開けっぴろげ」な人間が、自分では気がつかないまま都合のよい理屈を振りまわすところを目にしてきた。
とすれば我々は実のところ自分についていったいなにを知っているというのだろう?
そういうことを考えれば考えるほど、ぼくは自己PRをすることを(もしそうする必要があるときでも)、保留したくなった。
206 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/13(月) 23:57:05
村上春樹も就活したのかw知らなかったw
207 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/15(水) 01:41:27
「私は御社の企業理念に共感し、グローバルに働けるという社風に魅力を感じたため、
御社を志望致しました。持ち前の明るさと粘り強さで御社に貢献したいと考えています。
もちろん御社が第一志望です。よろしくお願いします」
私が志望動機を喋り終えた後、人事がこう言った。
「分かりました。あなたの熱意は伝わりました。それではあなたは内定です。
残りの学生生活を満喫した後、御社での活躍を期待しています」
「えっ、もう終わりですか?本当にこれで内定なんですか? 」
「ええ、安心してください。それでは一年後待っています」
「明日が内定式だ。これから研修をして忙しい毎日が待ってる。しっかりと働いて頑張るぞ! 」
……。
「AZ-02型シリアルナンバーZ3328回収されました。」
「そうか、データの解析は終わったかね?」
「はい、どうやらこの条件化で成長させた場合はこのような性格になり、
こういった能力を身に付けると共に、この業界を志望するようになるようです。
しかし、入社後の成果は芳しくなく、実務と性格の適合性が低いという結果が得られました」
「そうか、またまとめて置いてくれ。企業も学生を選ぶのがシビアになってきたからな。
こういったビジネスがこんなに拡大するとは思わなかったよ」
「全くですね、しかし人間が内定を取る率が減っているのも問題ですね…」
208 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/15(水) 01:58:25
>>200これノルウェイの森の何ページあたり?
せめて上巻か下巻かだけでも教えておくれ。
209 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/15(水) 02:01:50
>>208 今貸してるから手元にないが上巻じゃない?
>>208 調べたところ下巻61ページ(文庫本版)
211 :
就職戦線異状名無しさん:2009/04/15(水) 02:21:50
春樹じゃないよな、星新一だよなw
213 :
207:2009/04/15(水) 22:10:07
当ててもらうと嬉しいなこれw
明日GDだ。春樹の主人公みたいな口調でやってくる。
クールにやるんだ、クールに。
もしも僕のことばがウイスキーであったならば・・・
もしも明日が晴れならば
かつて誰もがクールに生きたいと考える時代があった。
高校の終り頃、僕は心に思うことの半分しか口に出すまいと決心した。
理由は忘れたがその思いつきを、何年かにわたって僕は実行した。
そしてある日、僕は自分が思っていることの半分しか
語ることのできない人間になっていることを発見した。
それがクールさとどう関係しているのか僕にはわからない。
しかし面接官の質問に一言で答え、タイミングを計り損ねた面接官との間に
気まずい空気をつくることをクールと呼び得るなら僕だってそうだ。
三回目の面接に落ちた半月後、僕は中谷彰宏の「ブラック」を読んでいた。
優れた本だ。そこにこんな一節があった。
「あるブラック企業のすぐれた裁判官ミレーは、八百の学生を落としたが、
この『圧迫面接』について勝ち誇っている。彼は言う、
『わたしの面接はあまりにあまねきため、先日選考を希望した十六名は
ひとが手を下すのを待たずに、まずみずから辞退してしまったほどである。』」
(就職戦線異常名無し・訳)
私の面接はあまりにあまねきため、というところがなんともいえず良い。