村上春樹的就職活動リローデッド

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1就職戦線異状名無しさん

「あまり、今日性のある企業とはいえませんね」と7月に誰かが言った。

 僕は黙っていた。黙るしかなかった。なぜなら、その誰かの言い分は
 正しかったからだ。足かせを引きずったまま、どこから見ても
 好意的に捉えることのできない2003年の冷夏が過ぎ、
 琥珀色の秋が皮肉にもけだるい熱を含めて押し寄せてきた。

 「オーケー。認めよう。僕はまだ就職活動をしている」

 
 
2就職戦線異状名無しさん:03/09/12 03:31
いっしょうひきこもってろ馬鹿
>>2
ワロタ
4就職戦線異状名無しさん:03/09/12 03:35


   問題は、コミュニケーションが取れないんだ。
5就職戦線異状名無しさん:03/09/12 04:01
神様どうかお願いしまつ。
コインロッカーベイビーズ!!
>>5
村上違いでつ
7就職戦線異状名無しさん:03/09/12 04:33
8就職戦線異状名無しさん:03/09/12 09:15
就職活動にはどうしようもないこともあるんだってね
例えば?
例えば面接の合否連絡さ。ある日突然不合格のメールが来る。誰が慰めてくれたって
内定するわけじゃない。そうするとね、自分自身に対してひどく腹が立ち始める。
そしてその次に自分に対して腹をたててない奴らに対して無性に腹がたちはじめるんだ。
わかるかい?
少しわね、僕は言った。
でもね、良く考えてみろよ。条件はみんな同じなんだ。みんな同じさ。
内定をもってるやつはいつかリストラされるんじゃないかとビクついてるし、
内定を持っていないやつは永遠にサラリーマンになれないんじゃないかと心配してる。
みんな同じさ。だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって
努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。そうだろ?
強い人間なんてどこにもいやしない。強い振りの出来る人間が居るだけさ。
一つ質問していいか?
あんたはそれが勝ち組だと信じてるのか?
ああ。
9就職戦線異状名無しさん:03/09/12 09:51
1さんになぜ相談しない?
しづらいのさ。馬鹿にされそうな気がしてね。
馬鹿になんかしないよ。
そんな風に見えるのさ。昔からそんな気がしたよ。優しい子なのにね、
1さんはなんていうか、どこか悟りきった部分があるよ。
・・・別にそれが内定取れない理由と言ってるんじゃない。
わかってるよ。
ただね、あんたより先に内定したし、その分だけいろんな嫌な目にもあってる。
だからこれはなんていうか・・・
老婆心。
そう。
僕は笑ってビールを飲んだ。
10就職戦線異状名無しさん:03/09/12 09:52
パクリ厳禁
11就職戦線異状名無しさん:03/09/12 10:01
おもろければ何でもいいじゃないですか。
ま、マターリと行きましょうよ。
12就職戦線異状名無しさん:03/09/12 10:10
マジレスすると疲れる。僕は自分が思っていることの半分しか
口にだすまいと決心した。
そしてうんざりした気分でもう一本ビールを飲んだ。
13就職戦線異状名無しさん:03/09/12 10:19
主人公の職業

風の歌を聴け:大学生(生物学専攻)
1973年のピンボール:同上
羊をめぐる冒険:広告代理店
世界の終わりとハードボイルドワンダーランド:計算士・夢
ノルウェイの森:大学生(演劇専攻)
ダンスダンスダンス:出版社(グルメ誌の記者)
ねじまき鳥クロニクル:無職(主夫)
国境の南、太陽の西:出版社(教科書を作ってる(だっけ?))
スプートニクの恋人:(忘れた。なんだっけ?)
海辺のカフカ:中学生
14就職戦線異状名無しさん:03/09/12 10:20
「夢読み」ね
15就職戦線異状名無しさん:03/09/12 11:44
「就職活動っていつの世も学歴なのよね」
残暑のけだるい陽ざしで形の良い乳房を輝かせながら、悠
は言った。
「そんなものかな」
僕はベッドの白いシーツの波に身を任せ、隣にいる悠の表
情を確かめる。
確かに、そうなのかもしれない。いつかバーで知り合った
男は、帝大から永田町へとコマを進めた。ひからびたピー
ナツを口に放り込み「英才教育のおかげさ」と両親を讃え
た。僕は思い出したくもない記憶のためにスコッチを飲み、
その熱さで全てを焼こうとした。
「ねえ、うぇるならどこだって行けるじゃない。いつもの
博識を披露してよ」と彼女は全身を僕に投げ出してきた。
目覚めたばかりなのに変な気分だ。僕は白いシーツを泳いだ。
何度も何度も、彼女の中に放った。
16就職戦線異状名無しさん:03/09/12 11:56
悠と新宿駅で別れた後、人の熱気で
息が詰まりそうな街を抜け、
百貨店へと向かった。
本命の企業の一つ四菱商事の面接のときの
ネクタイを選ぶためだ。
大学の悪友のなかにはスーツも新調たやつもいたが
僕にはなぜか本命と銘打った企業を目の前にして
ひどく冷静、いや醒めているといったほうが正しいのだろうか
悠と一緒にいるなかで僕はなにかを失ったのかもしれない・・・
17就職戦線異状名無しさん:03/09/12 12:07
内定のなかった僕が9月にブラック企業から内定した。
これで僕は働き口を得たようだ。僕はタバコを吸って
ビールを飲みながらビーチボーイのCDを聞いたけれど
満ちた気分になれなかった。もう何も考えたくない。
ゆっくりと眠りたかった。そしてゆっくりと苦しみと供に眠った・・
やみくろ企業
19就職戦線異状名無しさん:03/09/12 22:53
あげるのも悪くない。
20就職戦線異状名無しさん:03/09/12 22:56
>>13
スプートニクは教師じゃなかったかな?
21就職戦線異状名無しさん:03/09/12 23:33
みずぽ銀行に決まったKと久々に飲みに行った、
といってもそこはあの懐かしい学生街の焼き鳥の匂いはしない・・・
カイザー髭を少し短くした少々すましたバーテンダーがいる店だった
「おまえこんな店いくんだ・・・」
「なんだ、おまえは嫌いかこういうの」
僕はKの即答に正直怒りを覚えた。
22就職戦線異状名無しさん:03/09/13 01:00
その怒りは、僕の何がそうさせたのだろうか。
僕は、ブラック企業にしか内定をもらっていない。
給料は、そう、彼のそれの三分の一くらいだろう。
ブラック企業の労働の対価は、アルコールで心をどれだけ焼いて
くれるだろう。
怒りの旋律はフェードアウトした。
「みずほ銀行か。うらやましいよ」。素直な言葉が口をついた。
「でもさ」
小一時間、彼にマルクスの普遍性とマキアベリの潜在性を説いた。
僕は熱心だ。
ふと、悠の姿が浮かんだ。
「オーケー。正直に認めよう。僕は悠が好きなんだ」
23就職戦線異状名無しさん:03/09/13 01:11
電話が僕を急かす。悠からだ。
「今からメッセできない?」
いつも悠は唐突だ。そして、時計を忘れたようにチャットする。
彼女の学歴は臨機応変だ。海を越えて、言葉を越えて。
「でも、総計以下は許せないわね」
僕は、ブラック企業にしか行き先はなかった。
24就職戦線異状名無しさん:03/09/13 01:36
国境の南、太陽の西の主人公は新卒で(教科書)出版社勤務、
結婚してから舅に勧められてバー経営者(飲食店経営者)になったんじゃない?
25就職戦線異状名無しさん:03/09/13 01:38
100年前の韓国の写真。
凄すぎ。
女性の服、胸を露出していますが、冬はどうだったんでしょう?
http://bbs.enjoykorea.naver.co.jp/jaction/read.php?id=enjoyjapan_8&nid=511772&work=list&st=&sw=&cp=1

26就職戦線異状名無しさん:03/09/13 01:48
 優しい人事は言った。
「既卒者の履歴書に書かれている心の震えや
 感動や哀しみや切なさの性質は真実だと言っていいと思う
 それに比べれば新卒のESは、ごく控えめに言っても
 亀井静香のマニフェストより劣っている」
27就職戦線異状名無しさん:03/09/13 01:51
そして僕は、みずほと寝た。
28就職戦線異状名無しさん:03/09/13 01:57
2003年4月の新宿の街には不思議な光が溢れているようだった。
ジャズ・クラブでは誰もがコルトレーンフレーズを吹きまくり、
汗で滑ったスティックが煙っぽい空気を裂くように宙を飛んだ。
そう、僕はその時、一流企業から内定の連絡を受けた。
僕は今でも新宿の街を歩くたびに、伝説の上を歩んでいるような
気分になる。







こういう感慨に耽りたかった。
29就職戦線異状名無しさん:03/09/13 02:00
カラスと呼ばれる少年は言った。
「君は世界で一番タフな内定無しになるんだ」
30就職戦線異状名無しさん:03/09/13 02:11
ブラックの森
「今はまちがった時間です。あなたは今ここにいてはいけないのです」




OK認めよう。僕は遅刻したのだ。
「ねえ、内定無しさん。」
と笠原メイは言った。
「あなたはまだ生きているかしら。内定無しさん?生きていたら返事をしてくれる」
「生きているよ。」と僕は言った。
「優良企業が減ったでしょう?」
「減ったと思うな。」
「まだ減ったと思うくらいなのね。まあ餓死するにはまだまだ時間がかかるわよね。
どれだけ優良企業が減ってもブラック企業さえあれば人ってなかなか死なないものよ」
「たぶんそうだろうね」
と僕は言った。
OK認めよう。僕はー

これってどの本に載ってるの?
鼠が夢の中にあらわれてこう言った。
「君は早稲田大学の第二文学部だから、就職は無理だよ。大学生サークルでも運営しな。」
僕ははっと目覚めた。時計を見るとまだ深夜の3時だった。
僕はもう一眠りすることにした。
でも、さっきの言葉が胸につかえる。
そうだ、就職活動はしないでおこう。それが答えだった。
こうして僕は、今日もいつもと変わりなくエントリーシートを入力し、
最後に登録ボタンを押す。この行為を何十回となく繰り返すことが
果たして今後の人生に意味があるのかどうかわからない。
やれやれ。
早稲田と和光を間違えて入力してしまったようだ。
もう駄目かもしれないな。パチン OFF。
と僕は思った。
36就職戦線異状名無しさん:03/09/13 19:10
就職課で必死に求人検索している僕の背後に
羊男が雪綿のように現われた。
「アンタが求めている会社はそんな所には載っていないよ。」
 と彼は言う。
「わかっている。でも仕方が無い事なんだ。僕はずっと自分にゼロを
 乗じるわけにはいかないんだ。3月までにありありとした整数を、
 たった一つの内定を手に入れないといけないんだ。」
「わかってないな。アンタにふさわしい場所はリクナビでも毎ナビでも
 就職課でもない、、木曜日のフロムエーさ」
 僕は、言葉を失った。
 すると向かいにいた就職課の女性職員が、ゆっくりと近づいてきて
 僕の顔を不思議そうに覗き込んだ。
「さっきから、独り言を漏らしているようだけど、具合でも悪いの?」
 僕は、言葉を失い続けた。

 
 
37就職戦線異状名無しさん:03/09/14 00:18
安芸
38就職戦線異状名無しさん:03/09/14 01:35
それでも僕は、就職課のドアを開け、枕の位置を直し、ジャンクフードを食べる
毎日に満足していた。
羊男やメイ、悠にも会うことはない。雑踏の中の足音でしかなかった。
いつものように、「いってらっしゃい」と改札が言う。
僕の前を歩く人には「ガチャン」という無機質な音でしかない。
でも、改札は僕に優しい。
だから、僕は翌朝に控えた新聞社の筆記試験のことも、朝日キーワード
の項目にしか感じていないのだ。
39就職戦線異状名無しさん:03/09/14 05:08
完璧な筆記対策は存在しない。完璧なクンニが存在しないように。
人間の能力には欠落した穴があり、それを何やかやで埋め尽くすことは
できない。
40就職戦線異状名無しさん:03/09/14 06:11
僕は22歳で、その時飛行機のシートに座っていた。その巨大な飛行機は
激しい雨の中をくぐりぬけて減速し、福岡空港に到着しようとしている
ところだった。5月の冷ややかな雨が巨大なビルを暗く染め、コートを
着たサラリーマンや、難しい顔をしたOLたちや、予備校の看板やそんな
何もかもを面接官の顔のように陰鬱なものに見せていた。やれやれ、
また博多か、と僕は思った。
僕はすでに、東京ー博多間の飛行機代に20万を費やしていた。
41就職戦線異状名無しさん:03/09/14 06:53
就活の終わりとブラックワンダーランド

2003年の夏、都会で就職活動をした僕は、面接を受け、
待合室で出会った女の子と親しくなって、退屈な時を送る。
僕の夏はもろく、ほろ苦く過ぎ去っていく。
大学4年生の一片を乾いた爽快なタッチで捉えたブラックなデビュー作。
2ちゃんねる就職版賞受賞。
42就職戦線異状名無しさん:03/09/15 01:51
>>34
もしかして、昔いた二文五年さん?
43就職戦線異状名無しさん:03/09/16 11:31
やれやれ!!!
あのね、親友。
あなたは一体このスレをどう思います?
こんな素晴らしいネタスレは就職板には滅多に無い。
まぁ、過去の話だがな。
46就職戦線異状名無しさん:03/09/16 21:31
ギイイイイイ
47就職戦線異状名無しさん:03/09/17 12:36
   
               
           
                         
誰もいないスレ。ひとりぼっち
49就職戦線異状名無しさん:03/09/18 04:17
【鬱】村上春樹的司法試験【part3】
http://school.2ch.net/test/read.cgi/shihou/1051610911/
50就職戦線異状名無しさん:03/09/18 04:33
>>40のつづき

博多から、よどんだ鉛色の空の下急ぎ足でタクシーに乗った。
運転手は僕の急いできた空気と茶髪のヘアスタイルを怪訝そうに目をやってから
「お兄さん、どちらまで?」
「あぁ、えーとちょっと待ってくださいメモが・・・」
九州大学のあるゼミの人の住所だった。若干の苛立ちを隠せない運転手に
メモを読み上げると恐らく普段より勢いのある加速をした。
「あんた、どっからきたの?」
「東京からです、飛行機はひさびさですよ・・・」
僕は運転手とこれ以上話すとこの旅行の目的が傷つくような気がして
それ以上は話さなかった。

 彼女の部屋は意外と古い建物だ、ここまで古いのかと・・・。
感じずにはいられない。
51就職戦線異状名無しさん:03/09/18 04:42
11号室が彼女の部屋だ。電話で彼女の存在は分かりきってることなのだが
一抹の不安がぬぐえなかった。僕は不安というより、不安から違う気持ちへと
変わりゆくのが自分自身で分かるのが少し苦痛だった。

 ”キンコーン”古びた電子音が部屋に響くのが聞こえる
今日一日で最も長い時がいま流れている。ドアにノックを
かけようとすると、驚くほどスッとドアが僅かにひらいた。
その1cmの暗闇から聞こえるこえはあの生身の彼女の声だった。
52就職戦線異状名無しさん:03/09/18 05:28
へぼ作家の本読むひまがあるなら古典嫁
53就職戦線異状名無しさん:03/09/20 09:14
ag
54就職戦線異状名無しさん:03/09/20 20:32
e
55就職戦線異状名無しさん:03/09/24 20:18
やれやれ。
56就職戦線異状名無しさん:03/09/28 05:52
ぼぼ僕はおにぎりが好きなんだな
57就職戦線異状名無しさん:03/09/28 05:59
8 名前: 就職戦線異状名無しさん 投稿日: 2001/03/29(木) 00:16

条件は一緒なんだ。高学歴の奴もいれば、そうでないのもいる。
コネのあるやつにそうでないやつもいる。
でも、本当に自分が、内定をもらえると信じている奴なんか誰もいない。
持っているやつはいつか失うんじゃないかとびくついているし、持っていないやつは、自分は何も手に入れないんじゃないかと思っている。
だから嘘でもいいから、自分は内定を貰えると信じるんだ。
そう信じているやつが、本当に内定を貰えるんだ。
58就職戦線異状名無しさん:03/09/28 06:03
88 名前: 就職戦線異状名無しさん 投稿日: 2001/04/02(月) 17:54

そのとき、絵里子と僕は人影もまばらなキャンパスのカフェ・テリアで遅い昼食を取っているところだった。

「大体、あなたは物事を深刻に考えすぎるわよ。」

「そうかな?」

「決まってるじゃない。人生だとか、仕事の意味だとか、普通の人は、そういった
ことはできるだけ考えずに生きていこうとするものよ。あなたにはそういう生き方が
意味の無いことに思えるかもしれないけど。」

「これだけは分かってね、少なくともこの世界では、そういう人の方がよっぽどまともに
生きていけるし、人にも評価されるのよ。そうやってあなたが田舎の農道でトラックに轢かれた哀れなひきがえるの
ことを考えている間に、みんなはどんどん内定を取っていくし、エントリーの締め切りはたちまち過ぎていくのよ。」

かたちの良い両手の指を、テーブルの上でそっと組み合わせてから、彼女は静かに言った。

「私は、あなたにもっと上手く世の中を渡っていって欲しいのよ。そりゃ、あなたが本質的に
他人におべんちゃらを言って生きていくのが好きじゃないし、その能力も無いことは分かってるつもりだけれど。」

「やれやれ。ひどいね」
やあ久しぶり
60就職戦線異状名無しさん:03/10/05 01:39
すごく2ちゃん的な一日だった。
61就職戦線異状名無しさん:03/10/09 03:54
なんとかしようとしている人達の中には
なんとかなる人もいるし、ならない人もいる。
問題は、なんとかしようとしなくても
なんとかなる人がいるってことだ。
それを思うと僕はいささか理不尽な気分になる。
62就職戦線異状名無しさん:03/10/09 06:42
羊男は「就職なんてしなくてもいいじゃないか。」と言った。
僕は激しく同意したが、もちろん、それは強がりというものだ。
いつまでもこのイルカホテルに引き篭ってるわけには逝かない。
今すぐにでもハロワに逝くべきだろう。
やれやれ・・・いつものように僕は深いため息をついた。
だって村上春樹が好きな人間が、就職なんて出来るわけないじゃないか?
63就職戦線異状名無しさん:03/10/09 06:43
神戸に到着した僕はとても久しぶりにジェイの店を訪ねた。
彼は何もいわずに僕を迎え入れると、
ビールをカウンターに置くときになってはじめて口を開いた。
何もいわなくても他人に理解してもらえる存在は、
このところ面接官と直子へのいいわけに終始していた僕にとって貴重なものだった。
「ひさしぶりだね」僕は冷えたビールを口にすると聞いた。
「ねえ、ジェイ。無職になったことってあるかい」
「あるとも。職業安定所にもいったことがあるよ」
ジェイはグラスをひとつ磨きあげると次のグラスを手にしながら言った。
「僕にはどうも耐えられそうにない。職業安定所の空気が苦手なんだ」
「あんた、つらそうだね。でもあたしは思うんだよ。
無職のときは本来殺伐としたものであるべきだって。たとえば吉野家というのがあるだろう?
あれと同じさ。カウンターで向き合う者どうし、いつ喧嘩が始まってもおかしくない。
刺すか刺されるかの・・・(中略)・・・ってこった」
僕は新しいビールを注文すると、ジェイの言葉についてしばらく考えてみた。
僕には理解することができなかった。
吉野家だって?僕にアルバイトでもしろというのだろうか
64就職戦線異状名無しさん:03/10/09 06:46
結局すべての企業はブラックなんだよ!鼠はそう吐き捨てた。
企業にあわせられる人間以外採用されないんだよ!
じゃあ無職で生きればいいだろう。そう言ったあと僕は後悔した
僕はいつも言ってから後悔する。
面接で以前の職場の悪口を言うように。やれやれ
65就職戦線異状名無しさん:03/10/09 06:48
「あなたって本当になにもわかっていないのね」
と就職課の女の子は僕に言った。
それまで僕は自分の履歴書には、本当にささやかだけれど
確固たる自信があったのだ。
多分彼女が正しいのだろう。僕は声を出さずに、もはや
用を成さない書類のために泣いた。
66就職戦線異状名無しさん:03/10/09 06:51
日本経済新聞的に言えば、ちょっとスキルがありビジョンがあるかの
ようにみせかけていて、なおかつ制度に守られている会社の社員も
「勝ち組」に含まれるということになる。
「勝ち組」と僕は思った。いったい僕は何組なのだろうか。オオヤマ
さんは確かに変わった喋り方をするのだけれど確かに勝ち組なのかもしれない。
○○組とかの線引きはいったいどこですればいいのだろうか。
僕はどちら側にいるのだろうか。
小学生が3年生になったら何組かなあ?みたいな微笑ましい話は全く
通用しない現実に、まるで北極のクマがハンマーをもってきて僕の頭を
殴るような衝撃を受けた。
67就職戦線異状名無しさん:03/10/09 07:01
「無職」とその女性は言った。「世の中にはいろんな無職があるわね」
「確かに」と僕は言った。「いろんな無職がある」
「でもあなたはどういう無職なの」
「ふうむ」と僕は言った。「よく判らないな」
「例えば」と女性は続けた。「フリーター、を名乗る無職もいるわね。
単なる無職のくせして。でも中には今のままじゃだめだとか何というか
危機感みたいなものを感じて無職に甘んじている人もいるんじゃないかな」
危機感、と僕は思った。確かに僕は吉野家でバイトをしたりとかドキュソ
企業に短絡的に就職しようというような危機感の欠如したような行為を
する気持ちは毛頭ない。
このラインを超えれば確実に僕は失われる。何かが欠落してしまうのだ。
僕が無言でもの思いに耽っているいるのをみて女は言った。
「あなたは戦っているのね。でもあなたは無職よ」
68就職戦線異状名無しさん:03/10/09 07:03
僕が毎日残業が辛くて会社を辞めたいと永沢さんに言った時、こう言い返された。
「自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」

69就職戦線異状名無しさん:03/10/09 07:05
「なんというか、御社は僕にとって100%の会社なんです。
将来性もあるし、社員たちは明朗で、社員食堂も素敵だ」
「ふぅむ」 面接官は僕の履歴書をもう一度見直して、
何か新たな情報が浮かび上がってこないか試していた。
「確かに君にとって、我が社は100%の存在なのかもしれない、
けれど我が社にとっては、君は1%の存在ですらないと言わざるをえないようだ
70就職戦線異状名無しさん:03/10/09 07:18
僕ばかりがageている、1は何をしているんだろう?
やれやれ僕はまた他人に期待してしまった。
71就職戦線異状名無しさん:03/10/09 07:47
「就職活動は競争社会よ。食うか食われるか弱肉強食の世界だもの
内定取れないあなたは人間的魅力が人より劣っているのよ。
動物だったらとっくに死んでるわ」と彼女ははっきり言った。
「うーん、確かにそうかもね」
僕は駄目な奴は何をやっても駄目を思い出していた。
まさか自分がそうだったなんて、21年間考えた事も無かった。
僕はどちらかと言うとクールで頭の切れる存在だった。
「これが世の中でのあなたの評価よ」と彼女は続けた。
72就職戦線異状名無しさん:03/10/09 08:58
「ねえ、いい?私がコーヒーだとするとあなたはまるで水道水よ。本質的にはどちらも栄養なんか含んでないの。ううん、むしろコーヒーのほうが体には毒だわ。でも私は値段がついてお店の棚に並ぶわ。どんなにあなたがそれを無意味だと嘆いてもね。」
彼女の言葉は僕の胸に突き刺さった。そうか、僕は中身も価値もない水道水だったのか。
73就職戦線異状名無しさん:03/10/09 09:12
僕は何にでもなれる水道水さ、コーヒーにだってカルピスだって
おーいお茶にもなれる無限の可能性がある。
「ねえ時代は変ったのよ、今はミネラルウォーターが
あるからあなたは必要ないの」と彼女は説明してくれた。
「リクルートの宣伝するやりたい仕事やキャリアアップなんて幻想なのよ、
あなたは水道水としての人生を歩まなくちゃ」

74就職戦線異状名無しさん:03/10/09 09:23
僕は何も言い返せなかった。彼女の言葉は全て正しかったのだ。
水道水としての人生、おそらくそれが僕には一番あっているように思う。
価値を見出されることもなく、注目を浴びることもない。しかし人に危害を加えることもない。
しかしこの弱肉強食の社会において水道水の人生は可能なのだろうか。
「水道水にだって種類があるわ。日本の水道水は世界一安全なのよ。そうよ、あなたは水道水の中でも最も優れた水道水なのよ。私は辛いときも嬉しいときもあなたを飲んで生きてるわ。」
75就職戦線異状名無しさん:03/10/09 09:24


僕はさっきから彼女が誘うような目で僕を見ていることに気づいていた。


76就職戦線異状名無しさん:03/10/09 09:32
「彼女が誘うような目で見ていることを僕は説明しなきゃいけないと
思ったんだ」
「ずいぶん親切なのね」
「私・・・そんな風に見えた?」
「少しね。」
「どう感じたの」
「色々さ、でももう忘れたよ。たいしたことじゃない。」
77就職戦線異状名無しさん:03/10/09 09:42
「あなたは押尾学の’ロック’な就職活動日記を馬鹿にしてるわね、
でも彼みたいな人が出世するのよあなたみたいな人は役所の窓口仕事
しか向いてないのよ」
「僕は押尾学をよく知らないんだ、彼が嘘つきかなんてどうでも
いいことじゃないかいそれより利根川先生に就職相談してくるよ」
78就職戦線異状名無しさん:03/10/09 09:45
>>77面白い(w
79就職戦線異状名無しさん:03/10/09 09:54
僕は笑って二本目の煙草に火を点けた。
「昔ね、押尾学になりたいと思ったのよ、でもむなしくなって
あきらめた」
「そう?」
「押尾学が好きなんだ。いつまで見てても飽きないし、
見たくないときには思いっきり馬鹿に出来る」
「・・・多分それが一番いいと思う。押尾学のように知らない
自分になってね、そもそもの始めからやり直すんだ。
それも悪くないよ。」
80就職戦線異状名無しさん:03/10/09 09:57
[就職]利根川先生の就職相談 2時間目
http://etc.2ch.net/test/read.cgi/recruit/1056558735/
772 :ワタナベ :03/10/09 09:46
「水道水の僕に就職など出来るのだろうか。」
81就職戦線異状名無しさん:03/10/10 13:10
「学校に行くの?」と彼女が言った。
「ああ。だって、今日は金曜日だからね。授業に出なければならない」と僕は答えた。
彼女は僕の目を覗き込むようにして言った。
「あなた、本気で言ってるの?卒業単位を揃えても内定が急に出るわけではないのよ。
でも、就職が決まっていると土下座で単位はついてくる。分かるでしょう?
先物の説明会に行くべきか、学校に行くべきか」
僕はなるほど、と思った。
「オーケー。君の言うとおりだ。一緒に先物ブラックへ行こう」
82就職戦線異状名無しさん:03/10/11 22:02
飛行機が着地を完了すると禁煙のサインが消え
天井のスピーカーから大きな音でけばけばしいBGMが流れ始めた。
それは新宿駅周辺に店舗を構えるブラック企業のCMソング
「ヨドバシカメラの歌」だった。そしてそのメロディはいつものように
僕を混乱させた。
83就職戦線異状名無しさん:03/10/12 01:45
「内定の反対は痛いな、なのだー」
と声に出して言ってみた。
正確に発音するといささか違っている気がするが、
ニュアンス的には間違っていないだろう。
「内定の反対は痛いな、なのだー」

1時55分・・・・・面接の遅刻防止のため10分早く進んでいる時計の針が
ふと涙でぼやけたような気がした。

84就職戦線異状名無しさん:03/10/15 17:33
僕は内定の電話を一日中待っていたが、電話は鳴らなかった。
OK。しかたない。芝生を几帳面に刈り、ビールを飲み、またね
じを巻くことにしよう。
85就職戦線異状名無しさん:03/10/21 01:51
「水道水は飲めるのよ」彼女はささやいた。
「そうか下水よりましだ」と僕は明るい気持ちなって
昼下がりの大学構内を散歩した。
86就職戦線異状名無しさん:03/10/27 14:57
やれやれ。
87就職戦線異状名無しさん:03/10/30 07:55
書き込みが少ないということは
もうみんな就職が決まったのかな?
たぶん就職を諦めたんだろうな
88就職戦線異状名無しさん:03/11/04 05:13
「今夜俺と内定とりに行こうよ。大丈夫、すぐ内定だから」
僕はそのとき彼の言葉をまったく信じなかったけど、
実際にやってみると本当に簡単だった。
あまりに簡単すぎて気が抜けるくらいだった。
彼と一緒に渋谷か新宿の会議室だかミーティングルームだかに
入って(職種はだいたいいつもきまっていた)、適当な面接官三人組みと
話をし(世界は三人組みの面接官で充ちていた)、書類を送り、
それから重役面接を経て内定した。
89就職戦線異状名無しさん:03/11/05 11:27
ギイイイイイ
90就職戦線異状名無しさん:03/11/13 20:49
春樹はヒッキーの神様
91就職戦線異状名無しさん:03/11/17 22:15
おまんぽ侍
92就職戦線異状名無しさん:03/11/22 23:35
ageてもいいかな?
93就職戦線異状名無しさん:03/11/25 14:08
やれやれ
94山科:03/11/27 00:48
君たちはどの程度の努力をしているんだ!?

組織や政治のせいにしても何も始まらないんだよ!
まずお前たちが努力するんだ!!そして、自分を見つめるんだ!!
95就職戦線異状名無しさん:03/11/27 17:05
やれやれ。
やれ!やれ!!
97山科:03/11/28 19:08
君たちはどの程度の努力をしているんだ!?

組織や政治のせいにしても何も始まらないんだよ!
まずお前たちが努力するんだ!!そして、自分を見つめるんだ!!
98就職戦線異状名無しさん:03/11/28 23:19
山科を見るというのは非常に重大なことのようにも思えるし、
逆にまるでたいしたことじゃないようにも思える。つまり自己療養行為
としての山科見物があり、暇つぶしとしての山科見物がある。

終始自己療養行為という山科見物もあれば、終始暇つぶしという山科見物もある。
はじめは自己療養行為であったものが暇つぶしで終る例もあれば、逆の場合もある。
なんというか我々の就職活動は山科の言うところの就職活動と根本的に異っているのだ。

我々はバブリアンではない―これは僕の就職活動にとって、ひとつの重大なテーゼである。
99就職戦線異状名無しさん:03/11/29 00:00
ごくたまには、ワインも飲む。
だからと言って、就職先が決まるわけでない。
いつまで経っても、ブラックは飲めないからだ。
100※夢を現実に・・・:03/11/29 00:03
※夢を現実に・・・
http://vip.gooside.com
101山科:03/11/29 22:14
君たちはどの程度の努力をしているんだ!?

組織や政治のせいにしても何も始まらないんだよ!
まずお前たちが努力するんだ!!そして、自分を見つめるんだ!!
もし山科が私のことをペシミスティックだというのなら、
ペシミスティックじゃない山科は馬鹿よ
103山科:03/11/30 16:18
君たちはどの程度の努力をしているんだ!?

組織や政治のせいにしても何も始まらないんだよ!
まずお前たちが努力するんだ!!そして、自分を見つめるんだ!!
104就職戦線異状名無しさん:03/11/30 16:25
ふぅ。やれやれまた山科か。
オッケイ認めよう。僕は山科を嫌っている。
105就職戦線異状名無しさん:03/11/30 18:29
やれやれ山科か。オーケー認めよう。僕も山科を嫌っている。
106就職戦線異状名無しさん:03/11/30 19:37
「でも山科も悪くない」
107山科:03/11/30 22:17
君たちはどの程度の努力をしているんだ!?

組織や政治のせいにしても何も始まらないんだよ!
まずお前たちが努力するんだ!!そして、自分を見つめるんだ!!
108山科:03/12/01 20:12
君たちはどの程度の努力をしているんだ!?

組織や政治のせいにしても何も始まらないんだよ!
まずお前たちが努力するんだ!!そして、自分を見つめるんだ!!
109就職戦線異状名無しさん:03/12/01 20:15
>>108
うっせーよ社会派名無し。お前に何ができる?
臭いマンコを追っかけるくらいか?
110就職戦線異状名無しさん:03/12/01 20:32
うっせーよ社会派名無し。お前に何ができる?
臭いマンコを追っかけるくらいか?
111山科:03/12/02 11:51
君たちはどの程度の努力をしているんだ!?

組織や政治のせいにしても何も始まらないんだよ!
まずお前たちが努力するんだ!!そして、自分を見つめるんだ!!
誰もいないスレ。ひとりぼっち
113就職戦線異状名無しさん:03/12/06 10:38
当方3年文系なのですが主観でランキングも作ってみました。
異論反論歓迎です。議論を重ねて、就職対策しましょう。

S   新日本製鉄 三菱重工業
AAA JFEエンジニアリング 日立
AA  日揮 
A   川崎重工業 東芝
BBB 石川島播磨重工業 三菱電機
BB  住友金属工業 神戸製鋼 クボタ 荏原製作所 オルガノ 栗田工業
B   千代田化工建設 住友重機械工業 富士電機
CCC 東洋エンジニアリング 三井造船 明電舎
CC  日立造船

どうでしょうか?大体あってますかね 
114就職戦線異状名無しさん:03/12/06 19:50
>>113
千代田、TECと日揮の差が大きい。JFEも新日鐵と同じランクでは?

ってか、何で村上スレでこんなランキング作ってるんだよ?w
115わむて ◆wamuteW7DE :03/12/08 04:24


  <_葱看>、
/ I .((ハ)) i \
  ノゝ`∀´>ノハ    これからもわむてを応援しおてくださいね〜 
    uiYu      みるまら〜<^^>
   .〈|: _>
    ∪∪


116就職戦線異状名無しさん:03/12/09 22:41
>>89
やれやれ、どうやら稲川淳二が混じっているようだ。
117就職戦線異状名無しさん:03/12/19 17:47
age
118就職戦線異状名無しさん:03/12/20 05:10
やれやれ、卒論期限日を勘違いしていたようだ。
今日土曜日までと思っていた僕は、あるいはこれから幻想を生きていくのかもしれない。
119わむて ◆wamuteW7DE :03/12/26 08:54
み、み、みるまらっっ!!!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,‐ ' ´  ヽ
/ i lレノ)))
 / 人il.゚ ヮノ
   ⊂)Yib    /⌒)
    く|: _フつ/@ニ)'
     ∪ / ,/
    ._/@二)
    `ー―'"
120わむて ◆wamuteW7DE
み、み、みるまらっっ!!!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,‐ ' ´  ヽ
/ i lレノ)))
 / 人il.゚ ヮノ
   ⊂)Yib    /⌒)
    く|: _フつ/@ニ)'
     ∪ / ,/
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    `ー―'"