「にんじん!健康神話の大誤解」(ためしてガッテン
http://web.archive.org/web/20050311054040/http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2005q1/20050309.html 全国一のにんじん産地・北海道で、にんじんの調理法について調査を行いました。
50人を調査した結果「皮」をむいていた人が9割。
しかしにんじん農家の方に調理法を見せてもらうと、たわしでこすってすぐに料理を始めてしまいました。
皮をむかないの?と思ったら、返ってきた答えは「皮はもうむけています」。どういうことでしょうか?
にんじん収穫中の畑を訪ねてみると、収穫されたにんじんは専用の機械で洗浄処理されることがわかりました。
実はこのとき、皮がむかれていたのです。
収穫後の洗浄処理をせず、表面の泥を落としただけのにんじんを見ると、
半透明の薄い膜のようなものがついていることがわかります。実はこれが皮。
私たちが皮だと思ってむいていたのは、「内鞘細胞(ないしょうさいぼう)」という部分、
皮ではなかったのです。
この内鞘細胞にはカロテンやポリフェノールなどの健康成分、およびうまみ成分が豊富に含まれています。
札幌での実験によると、これまでの調理法では平均して2割のカロテンを皮として捨てていたことがわかりました。
ただし内鞘細胞はポリフェノールを多く含む分、クセが強く、また色も黒くなる傾向があります。
収穫後に日数が経つと、煮物にしたとき内鞘細胞の表面に近い乾燥した部分が口に残り、
食感を悪くすることもあります。そのため、次のように場合わけして使うことをお勧めします。
カロテンなど健康成分を無駄なくとりたい場合
→ 買ってきたものを水洗いしてそのまま使う
むかないと味や見た目が気になる場合
→ 従来どおり表面をむいて使う