http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/133282 かつて「娯楽の王様」といわれたパチンコやパチスロの愛好者が昨年は970万人となり、
市場規模が最盛期だった1995年の約3分の1に減ったことが公益財団法人・日本生産性本部(東京)のまとめで分かった。
警察庁によると、店舗数も1995年から34・8%減り、
九州では熊本県と宮崎県で4割減っている。射幸性の高い台が一般客を遠ざけていることや、
若者のギャンブル離れが拍車を掛けているようだ。
日本生産性本部の「レジャー白書」によると、パチンコ・パチスロ人口のピークは83年の3140万人。
バブル経済崩壊後の95年(2900万人)から減少傾向が顕著となり、特に2010〜11年は東日本大震災の
影響もあって410万人の大幅減となった。市場規模(売上高)も1995年の30兆9020億円から、昨年は18兆8180億円に縮小した。
パチンコ店やメーカーが加盟する日本遊技関連事業協会(東京)は「常連客を囲い込もうと射幸性の
高い台を競って開発した結果、一般客が離れた。若年層はゲームに流れ、ファンの新規開拓も進んでいない」と分析。
20年来のファンをやめたという北九州市の公務員男性(44)も「少ない小遣いで遊ぶのはもう無理」、
男子大学生(21)は「1度やったが、すぐに5千円が消えた。友達とゲームで遊ぶ方が楽しい」と話す。
2006〜10年に貸金業法が段階的に改正され、主婦らが消費者金融などから借金しにくくなったことも影響したとみられる。
同市小倉南区のパチンコ店店長(41)は「特に若い男性と主婦が減った」と漏らす。
警察庁によると、店舗数は1995年の1万8244店から、昨年は1万1893店に減少。このうち九州は、
福岡418店▽佐賀81店▽長崎171店▽熊本177店▽大分141店▽宮崎148店▽鹿児島257店−で、
95年に比べて31〜40%減となっている。
厚生労働省研究班の推計(今年8月発表)では、ギャンブル依存の疑いがある人は536万人に上り、
要因にパチンコ・パチスロが指摘されるなど、逆風が続く。
「マニア化したファンが残っている状態で歯止めが利かない」(生産性本部)状況という。