【加地君也 マイスター2巻 あとがき】
すみません。最後なのでちょっとだけムダ話をします。
僕は高校卒業後 ティッシュを製造する工場に就職してました。
(愛媛FCの胸のロゴのアレです)事務ではなく いわゆる肉体労働のほうです。
ちょっとした事情があり 大学どころか専門学校にすら行けないくらい家が貧乏だったんです。
普通の親なら子供が大学に行かなかったら嘆くところですが
ウチの母親はボクが就職を決めた時 喜んでくれました。そんな家です。
でも別に親を恨んでません。逆に苦しいなか ここまで育ててくれたことを感謝してます。
なんでこんなことを急に書いたかというと
それが僕がマンガ家を目指すようになった要因のひとつだったからです。
正直 高卒だと色々苦しい想いをしました。
何も聞かずに頭が悪かったからと決めつけられるし専門学校に行ってる
自分よりも馬鹿な奴に馬鹿にされたり…なんか世の中不平等だなーと痛感したワケです。
だったら本当の実力勝負の世界に身を投じてやろうと決心したのです。
(もちろん絵を描くのが好きだったというのが大きな理由ですが)
そして マンガを通じて自分と同じように苦しいなかがんばってる人
努力してる人に勇気を与え応援したい!
……これが僕がマンガ家を目指すようになった理由です。
この「マイスター」にもそんな僕の想いを詰め込んだつもりです。
(伝わってないかな?)
たとえば一話目の松戸の話は もし乗り越えられない大きなカベに
立ちふさがれたなら カベの横をまわればいい。穴を掘って進めばいい。
…つまり どんな困難も視点を変えるだけで新たな道はひらけることもあるということを伝えたかったのです。
気持ちの持ちよう 考え方次第で世界は変わる。「人生は気から」だと。
ただ 僕がマンガ家としてまだまだ力不足なため 上手く表現できてないのが問題なんですよね(笑)
もっと頑張らないといけませんね。
この「マイスター」という作品が もしも あなたの人生を変えるキッカケになったとしたら幸いです。
あと もし あなたのまわりで頑張ってる人がいたら「大丈夫だよ」と言ってあげて下さい。
たぶん それで充分です。誰も言ってくれる人がいないなら いくらでも僕が言ってあげます(笑)
大丈夫!僕がジャンプで連載するなんてティッシュ工場で働いてたころは誰も想像してませんでしたから(笑)
人生は楽しんで勝て! です☆ 加地 君也