「きゃべつちょうちょ」という話が好き。とくに最後のコマの哀しみと希望に満ちた
余韻が感じられる大島弓子独特といえるラストシーンを
冬から春になるころに読むとじーんとくる。
まあ詩が好きだということからもわかるけど、
この人の言葉に対する感受性やセンスって凄いよね
はじめて読んだ時に一番びっくりしたのは、何よりも地の言葉や台詞などの鋭さや繊細さだった
大島弓子が手がけた詩集というのが何冊か出てることを考えても
かつては詩と漫画というものが密接な関係で、この詩を使いたいがために
この漫画を描いた、みたいなこともあったのかも。
作家さんたちも言葉に対する感受性が豊かで、また読者にもポエム大好き少女みたいな人が
多かったんじゃないかな。私も10代の時にけっこう詩集を買ってた時期があった。
今は死語だろうけど「イラストポエム」なんていう言葉もよく聞いたし。
わたしも詩集買ってたな。
エリュアールは大島さんの影響で読んだし。
雑誌の巻頭の口絵部分にポエムつきカラーイラストのページがよくあった。
歌謡曲の歌詞にマンガ家がイラストつけたのなんかも。
大島さんの「サルビアの花」のイラストを見たような記憶もある。
70〜80年ごろの少女マンガは作品中にもイラストポエムみたいなコマが
必ずあったよね。そもそもネームが詩のリズム持ってた。
「サルビアの花」か、懐かしいな。
「もとまろ」だっけ。
「罪と罰」って原作読んだことないんだけど、大島さんの漫画はかなり原作に
忠実なんですか?
漫画化されたキャラのイメージも原作に合ってるんだろうか・・・
かなりコンパクトにまとまってるけど
まぁあんな感じ
忠実だけど省きすぎっていうか
スヴィドリガイロフが美形の男色家風情なのは
大島さんの趣味だと思うw
萩尾さんの赤ッ毛のいとこでもネタにされていたww
>>939 >赤ッ毛のいとこ
ああいう短い頁の連載作品、好きだわ
数十年ぶりに、ブックオフで大島サンの本を目に止めて買ってしまった。
当時小学生の頃に読んでた綿の国星。
今読み返すと、違う感じがします。
この世界にしばらく浸っていたい…。
連投ですが
旦那が捨てたがりなので、捨てられるまでに堪能する。
今はそうでもないかもしれないけど、昔はロシアっぽさが好きなのかな
と思ったとこがある。登場人物の名前「・・・ノフ」とかロシアっぽい名前
がちらほら出てくるし、漫画に雪のシーンが多いような気もしてたし。
で、最近イラストアルバム本引っ張り出して読んでたらやっぱりロシアのあの雰囲気
が好きだと書いてあるのをいまさらながら発見して納得。
冬漫画…「誕生!」「ハイネよんで」「山羊の羊の駱駝の」「たそがれは逢魔の時間」
夏漫画も多い気がする
945 :
愛蔵版名無しさん:2012/03/14(水) 01:26:21.22 ID:CpoUxMFg
「まだ宵の口」の現代国語さん、好きな方いますか?
「誕生!」ってファンになってからしばらくして読んだんだけど、全ての登場人物が
最初から最後まで絶叫しているというイメージが強くて読むの疲れた。
ジェットコースタードラマのようなハードさが凄かった。
大島さんの初期の作品はけっこう絶叫系多いんだよね。
>>946 初期作品は、時代がお涙頂戴少女漫画をまだ引きずってたせいか、
とにかく人が死にまくり、不幸になりまくりだよな
当時の大島さんもそのラインに沿って描いてたけど、その中でも
突出してネーム量が過剰だったな。
ベースはお涙頂戴ものでも、外面はクール、でも愛憎ドロドロの本心を
隠してる人がいて、それが剥がれるまでの話っていう、お得意のスタンスが
わりと最初からあったから、その複雑な心理を描写するために、
ネームの嵐になるんだが、垂れ流すばかりで整理があまり出来てない。
本人がターニングポイントって言ってたけど、罪と罰の漫画化以降ぐらいから、
ようやく構成がこなれてきた感じ
でも悲劇時代もきらいではない
単行本未収録の作品も見たいな
全作品集、出ないかな
大島さんって、漫画家歴のまん中くらいに「綿の国星」があるのかと思ったら
あの作品はデビューしてから10年くらい経った頃の作品なんだね。全体から見れば
初期の作品になるというのが今となってはちょっと意外。ということはデビュー10年で
かなりの作品数をこなしてたってことか。
正直「綿の国星」だけ好きじゃない
だって、漫画家生活40数年中、現役バリバリだったっと言えるのは、
その半分の期間ぐらいだし、その中で考えると、綿国は真ん中の
時期とも言える
猫エッセイや絵本を除くと、コンスタントに描いてたのは昭和末までで、
あとは年に2〜3本ぐらいで、ストーリーものの最後は
95年の雑草物語?
>>950 「綿の国星」を初期の作品と位置づけるのは、ちょっと私の感覚とは違います。
もちろん、漫画家生活全体のスケールで考えると、そうなるのかも知れませんが。
例えば、大友克洋の「童夢」を全体のスケールで考えると「初期の作品」となるのかも知れませんが、
ちょっと違うような気が、私はするのです。
954 :
950:2012/03/19(月) 13:24:57.48 ID:VsV5RYh3
そう、漫画家生活40年ちょっととすると年代的には初期なんだけど
感覚的には初期とは違うよね。ざっくり分けるとマーガレットに描いてた時期が
初期で、以降少コミ中心から綿の国星までくらいが中期かな。
角川中心の時期は作品の内容自体はあぶらが乗っていたとも言える
と思うけど漫画家としてはもう晩年か。
ファンとしてはもう一度、これぞ大島弓子というような新作ストーリー漫画を
読んでみたいけど猫の世話に追われてるうちは無理かなあ。
猫エッセイだけでも読めるだけよかった
ASUKAに描いてるころはどの作品もはずれなしの怒涛の勢いだったね
まさに脂が乗ってた時期というのがふさわしい。
サバシリーズですら猫エッセイというより1本の作品になってた
エッセイも好きだけど。
この頃のASUKAは山岸涼子作品もすごかったんだよな(除ヤマトタケル)
この世代の作家さんのピーク時だったのかもしれん。
働き盛りの年代(30〜40代)だったのかも
綿の国星はホワイトフィールドになるところを見たかったけど
惰性でだらだらと続けまくったという感じしか受けない。
あれなら最初の1作目だけで良かった。
2作目の「ペルシャ」以降はどんな話があったのかマジであんまり記憶がない。
コミックス手放してかなり経つけど、いまだにもう1回読みたいという気にはならない
んだよね。
>>956 私も、両者のASUKAコミックスに衝撃を受けました。
といってもリアルタイムで読んでたわけじゃなく
大人になってヤフオクや古本屋でコツコツ収集したんだけど
すごく惹きこまれた。
サバシリーズも哲学的ですらあって、印象に残ってる台詞多い。
若さの勢いはないけどまだ老いには遠く肉体の衰えを感じず、の円熟期ですね。
当時のアスカも贅沢な執筆陣でした
ロスト・ハウスとか、ヤングロゼに移ったあたりになると、
ちょっと脂っけが無さ過ぎるというか、絵が白っぽくなりすぎちゃって
物足りない感じが・・・
ストーリーはそれほど落ちてなかったと思うけど。
ちなみにASUKAに初めて描いた時、大島さん40歳
ヤングロゼに移った時46歳
最後のストーリーもの、雑草物語の時48歳
まさに40代が円熟期にして、最後のストーリー漫画の時代
そして今年65歳
♪命短しかし恋せよ乙女♪ですかしらん?
40代ははたして乙女か
乙女真っ直中です
乙女の描き方がすごい
久々にアスカコミックス読んでるけど、昔はモヤモヤしながらも
読めた鯖シリーズが、もうモヤモヤどころか読みたくないくらいになってる。
昔の飼い方とはいえ、ちょっとなあ。。。
綿の国なんてもっと酷いし。
グーグーもタマあたりまでは安心して読めたけどその後は、、、だし
普通の創作漫画の方がやっぱりいい。
>>966 猫飼った事ないから分からんのだけどどこらへんが酷いの?
だって昔だもん
うちも人間用のご飯が半分くらいだったよ 外にも出してたし
それで18年くらい生きた
サザエさんの主題歌はお魚くわえたどらねこ追っかけて、
みんなそれ見て平和に笑ってるんだよね
今は、まあ!どこの誰が放し飼いにしてるんでしょ、って追求するんだろうな
>>947 極初期の作品読みたさに昭和44年のマーガレットを国会図書館で読んで来たけど
この時期の大島作品ってほとんど間違いなく主人公の女の子死んでるな。
「美花よなぜ死んだ!」とか「その日まで生きたい!」とか、タイトルからして助からない感最凶だし。
猫マンマなんて言ったらんまああ!しんじらんないわ!お宅の猫ちゃんかわいそう!って言われる時代
綿の国星でちび猫が近所のおばさんに、さきいかやおかきや煮干しテンコ盛り貰ってたべて、下痢してたけど下痢ですんで良かった位。
知り合いの猫はスルメ食べた翌日に死んだ。
煮干しや鰹節が猫に良くないのも、猫飼って初めて知った。
昔の漫画をそういう風に読んじゃうなら読まん方がいいよ
サザエさんの初期ヒロポンでラリってるのを目くじら立てて今ならありえないってマジレスしてるレベル
消化不良ね。
子猫だとあるみたいだねぇ
まあでも漫画なんだからそう肩はらんと
>>969 当時の少女マンガ界、特に週マ・週フレはそういうノリだったよねえ
里中さんや池田さんもお涙系難病もの・戦争もの描いてたし。
難病もの戦争ものを描かずに済んでた竹宮さんや萩尾さんが特殊な例なのかも。
(私が知らないだけでお二人も描いてるのかしら?)
少コミは後発雑誌だけに、ちょっと傾向が違った印象がある。
小学校くらいの時、風邪で熱だしたかで早退したときに、体調が良くなったら
こっそり布団の中で読もうと思って漫画雑誌を買って帰った。
それに載ってて印象に残ったのが「雨の音が聞こえる」という漫画だったん
だけど、いつどんな雑誌に載ってたのかさっき調べてみたら
昭和47年の別コミだった。その時なぜ別コミを買ったのかはわからないけど
それで初めて大島作品を読んでファンになったと自覚しているので、今でも「雨の音が
聞こえる」を読むと小学生の時にタイムスリップしたような感覚になってしまう。
大島さんは、萩尾さんや竹宮さんよりデビューが数年早い。
この数年が、実は大きい。
くりまんのちび猫より、綿の国星のちび猫の方が好きかな…世界観も。
チビ猫は初期の耳が小さかったバージョンのほうがかわいくて好きだ。
>>975 そういうのあるね。
ちょっと違うけど自分は「誕生!」の冒頭場面で
学生時代の定期テスト時の教室の雰囲気を感覚的に思い出す。
>>974 小学館文庫版の「雨の音がきこえる」のあとがきで、大島さんがこう話してます。
「ジャンルの規制をしない少コミの自由な編集方針は、当時の私を、今までとは異なった
テーマを異なった形式でかくことに誘発しました。用いてはならないことばがなかったことが
最大の魅力でした」
そして少コミで描いた作品群を挙げて、「これらの作品はなによりも私自身の視野を
変革させてきたにちがいないのです」としめくくってます。
作家さんの力量だけでなく、編集者や編集部、出版社と二人三脚でより魅力的な作品という
ものが開拓されていったんだなあと思った言葉でした。
後発の雑誌だったからね。