336 :
古語訳:
「あはれ、かはやはいづらや」
かはや求めてとみにまどひつ走りたるは
予備校に通ひしおぼろけなるをとこ
せめてなべてならぬさま挙ぐればをのこをばめづるとぞ
名をば道下正樹となむ言ふ
かかるほどに通ひし道なる公園の
かはやになむ着きける
ゆくりなくも見るに、椅子にをとこ居たり
「あなにやし、えをとこを」
かく思ひつるに、をとこあからさまに装束の裾開きゆきたり
「まぐはひせむ」
さに、ここなる公園のかはやは音に聞くハッテン場とかや
吾、いとえをとこめづるのさがにて、かのをとこのまにまに
さながらかわやの内になむ入りける