【ガモウひろし】とっても!ラッキーマン【6吉】

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237愛蔵版名無しさん
今手元に単行本が無いんで何巻のラッキーネットワークか分からないけど、その中のハガキコーナーに
「好きな女の子の匂いをかいで1分間息を止めればその子との恋愛が成就する」みたいな投書があったはず
小学5年生の頃、当時好きだった同じクラスの女の子(以下Aとする)とどうしても仲良くなりたかった俺は
これを真に受けて実行した事がある

ある日の休み時間、授業の終わりを告げるチャイムが鳴り終わると、俺は周りの様子を見計らい
おもむろにイスから体を乗り出し、前の席に座ってるAの頭に顔を近づけた
(Aの席は俺の前だったので、こうすれば簡単に近づく事が出来た)
そして、ここぞとばかりに思いっきりAの匂いを吸い込み、口をギュッと閉じて右手で鼻をつまんだ
今思えば、そのままAの席から離れて1分間待てば良かったのだが
その時の俺は、そのままそこを動かずに1分間耐えるという選択肢を選んでしまった
これが大きな間違いだった
教室に掛かってる時計を見つつ1分間を計るつもりだったのだが、30秒を過ぎたところで徐々に苦しくなり
35秒のところでこらえ切れずに「ブォファッ!!」と噴き出し、37秒のところでAがこちらを振り向き気付いてしまったのだ
Aの目の前で勝手に苦しんでる俺と、それを驚きと恐怖とが混ざり合った表情で見つめるA…
Aなりに、このおかしな状況を打破するためにはどうすれば良いのか考えたのだろう
次の瞬間、Aは右手を振り上げると俺の頬に強烈なビンタを喰らわせたのだ
俺は思わず「ヴォフェッ!!」と叫び声なのか何なのかよく分からない声を上げた
予期せぬ事態に、俺は何が起こったのか一瞬理解が出来なかった
……が、この状況からいち早く逃げ出すのがベストだと判断した俺は、Aに何も言わずに(正確には何も言えずに)
教室を出て行った
その後、卒業するまで俺と1度も口を利いてくれなかったのは言うまでも無い



あの時のビンタの痛みとAの匂いは一生忘れないだろう