【長い】漫画の最終回を全て夢オチに【夢を見た】

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287愛蔵版名無しさん
「僧正、起きてください」
弟子の声で目がさめる。朝餉の香りが鼻腔をくすぐる。

そうか、あれは夢だったのか。
人間が一切出てこない、動物のみでこの世が形成されている
一見無秩序だが、どこかユーモラスで居心地のいい夢だった。

今日も何事もなく一日が始まる。僧侶はご本尊の前でタバコをふかし
村人は広場で相撲を取ってひっくり返っている。
人は人ぶってはおるが、所詮人がするこの世の行いは、
獣がするそれと、何が変わろうか。
そう思うと馬鹿馬鹿しいような、おかしいような。
彼は口元に皮肉な笑いを浮かべた。

「僧正、いかがされましたか?」心配そうに弟子が声をかける。
彼の顔は・・・そうさな。
そう考えかけて彼は急いで妄想を振り切った。

「いや、なんでもない」
それにしても、ずいぶん長い夢を見続けていたような気がする・・・

鳥獣戯画・完