ジョジョ5部スレ【この俺に4ね!っつーのかッ!!】

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315愛蔵版名無しさん
じゃあ邪推して。

10歳の頃のブチャは貧しかったし、
親父の買ってくる服は地味でハイセンスとは言いがたいものばかりだった。
やさしいブチャは文句なんていわなかったし、漁師の息子ならそれが普通だとも思っていた。
しかし、ブチャにも一着だけ、どうしても欲しくて欲しくてたまらない服があった。

それは親父の、漁のときにだけ着る緑色のジャンバーだった。

ジッパーがたくさんついていて、服の裏にも釣具を入れる秘密のポケットが隠れていた。
デザインは古臭いものだったけれど、ハサミや糸など、ジッパーの中から何でも出てくる魔法の様な服だった。
親父は頑固者で、商売道具には触らせてもらえなかったので、
留守の時にはコッソリと持ち出し、10歳児には大きすぎるジャンバーを被って遊んだ。

親父の死後、ブチャラティの手元には、
海の匂いがしみこみ、そしてうっすらと血のにじんだ後の残るそのジャンバーだけが残った。
そのジャンバーを見ると勇気が沸いてくる。
ブチャラティは常に、ジッパーがたくさんついた魔法の服をまとって戦うのだ。