37話「隠れ家がなくなる日……」 評価★★★
姫子と大地の思い出の場所の隠れ家が、解体業者に壊されそうになってしまう。
姫子たちはなんとかして、阻止しようとするのだが・・・
隠れ家の話は終盤重要な拠点として、原作でも書かれるが、これはアニメオリジナルか?
大地にとって小さい頃からの場所、姫子にとっても大地と縁を結ぶこれまた重要な拠点であり、
それらが本編でも十分に表現されており、その大切さが伝わってくる佳作だ。
冒頭姫子が小さい頃に使ってた古いガラクタを処分しようとするが、愛着があり捨てられないという
描写も、思い出を大切にする姫子の優しい心を表現しており、
この大量消費社会に置いて、大切な心を思い出させてくれる一シーンだ。
全体的にシリアス目で、まるでシリーズ初期を思わせる緊張感につつまれ、
不動産業者から解体業者がからみ、子供たちの夢やあこがれを踏みにじるような現実の厳しさを痛感する。
作品としては非常に良くできているのだが、大きな不満が一つある。
それは最後、姫子たちの悲痛な言葉が、不動産業者に電話したさい、最後地主に伝わるという物だが、
そもそも地主は、大地たちが10年もこの住処を使ってるのを知ってるのか?
本編でもその描写が無く、これでは単なる不法侵入である。
子供の叫びに心を打たれたところで、地主は赤の他人に恩を売れるのか?
ものすごく矛盾を感じるのだが、これならエリカが魔法の力で姫子たち以外がこの土地に近寄れないように
した方がまだマシだったのでは?
良く出来ていた作品だっただけにこの最後が非常に残念だ。ということで評価を3に落とした。