†† 小公女セーラ 46話 ††〜「花のささやき」
セーラはドロワースの着用は許されていなかった。ラビニアから許されたのは、紺色の
ワンピースにメイドの白いロングエプロンと、太腿までの黒いレース編みの模様が入った
ソックスを赫のガーターで吊るすこと。そして白く細い首には赫のレースの首飾りと艶やかな
黒い髪のうえには白い薔薇を模した頭飾りが巻かれていた。
メイドの格好をしたものだったが、それはまさに黒髪のエミリーだった。そして、ラビニアの
人形となった美少女は慎ましやかと思われていた夫婦の凄まじい情交をまのあたりにして
秘孔に埋める逞しきペニスに想い涎を滴らせているのだった。
ラビニアはスカートを捲くってセーラの小さく白い臀部を晒してピシャッと平手で軽く叩いた。
「んあっ!ラ、ラビニア……や、やめて……」
セーラは我に返ってドレスアップしたラビニアの方を見ると、彼女は淑女らしからぬ微笑を
セーラに向けた。
「ほら、観ていないと、パパとママとのいいところを逃してよ」
セーラはこくんと頷いて鍵穴を覗き見ると、ラビニアは青いドレスのまま絨毯を這っていき、
彼女の桃尻へと唇をゆっくりと開き歯を立てがぶっ!と噛み付いた。
「あううっ!」
あまりもの衝撃にセーラの聖水口からはゆばりが僅かばかりだったが溢れてきた……。
「あら、エミリーが粗相をするなんて、おしめがいるわね。おかしいわ!」
ラビニアはセーラに聞えるように羞恥を煽り双臀に頬摺りをしながら右手でヴィナスの丘を
圧迫するようにじんわりと撫で回し始める。左腕はセーラの左脚に蔦のように巻きついて
内腿を愛撫しだす。
セーラは子宮が収縮する感触と漏れ出した聖水を我慢するので立っていることでさえやっとで
鍵穴のラビニアの両親たちのセックスに興じることなど不可能になってきていた。
セーラの熱い吐息には歔き声が交じり、いまにも絨毯に崩れてしまいそうだ。
「ラ、ラビニア……もう、やめてちょうだい……おねがい……かんにんして」
「ああ……セーラは気持ちよくないのね……」
臀部に頬を擦り付けながら熱くラビニアは言うと、指がセーラの聖水口を弄り始めるのだった。
「ち、ちがうのよおおッ!き、気持ちいいッ!ああ……で、でも……洩れちゃう、も、洩れちゃう……」
「わたくしが、セーラのお小水を呑んであげてよ。その代わりわたくしがぜんぶ呑みやすいように
そっと出してちょうだいね」
ラビニアの破廉恥な申し出だけで、聖水口の堰を切って溢れ出そうな予感が迫った。
「で、ても……ラビニアがわたしのお小水を呑むだなんて……わたし、あううっッ!」
「洩れてきちゃうわよ!ほらッ!」
ラビニアは聖水口をいじめるのはやめて、やさしくヴィナスの丘を少しだけ力を込めて撫でる。
「いや、いや、いやあああッ!」
隣のラビニアの両親へと感づかれないよう、か細い小さな悲鳴がセーラの唇からあがる。
セーラは取っ手へとしがみ付いていたが、腕がだらっと伸びて扉をガタンとさせてしまう。
「ヒイッ」
「だいじょうぶよ。ほら、脚を拡げてごらんなさい」
ラビニアの眼が醒めるような青いフリルがあしらわれたドレス姿の躰がするするとセーラの
真下へと入ってきた。
「おねがいで……す、もう、かんにんしてください」
「あなたには選択の自由なんかないのよ。オシッコをしたければ、ここから出て行くことね」
「そ、そんな……」
ラビニアの両親・ビルとミランダの愛し合っているところを通ってトイレに行くだなんてセーラ
には到底無理なことだ。
「ラビニアのいじわる……」
セーラはそう呟いて、眦から真珠の涙をこぼす。
ラビニアと関係はどうあれ親しくなれたことと、久しぶりに綺麗な衣服を着たことが嬉しくて
オシッコのことまで気がまわらなかったセーラだった。そしてホテルに行く前に……期待の
性愛の扉を前にしてラビニアは言った。
「いっしょにカンタリスを飲んでから行きましょうね」
「なんでしょうか……」
ラビニアはなにも答えずに、テーブルのデカンターから赤く透明な液体をグラスに注いで
口へと含んだ。彼女はセーラの頭を抱いて上を向かせ、口吻をすると唾液交じりのトロッと
した飲み物が流れ込んできた。ワインを口にしたことはあったが、こんなカタチで飲んだこと
などセーラにとっては、もちろん初体験だった。唯一の記憶といえば、お父さまの精液を口に
した時の……セーラは今と過去が綯い交ぜとなり、胸元で祈りを捧げるように組まれていた
両の手がラビニアのふくよかな胸にそっと添えられて、白い喉が液体をこくんこくんと呑みほしてゆく。
セーラが瞼を開くと、目元がぼうっと淡い薔薇色に染まった、ラビニアのサファイアの瞳が
あった。エメロードとサファイアの瞳が睦み合っている。
「いい娘よ、セーラ。今度はわたしに口移しに飲ませてね」
黒髪をやさしく撫でるとセーラの下にラビニアはひざまずくのだった。セーラはテーブルに
置かれたグラスに顫える手を伸ばして、可愛らしい唇へと持っていく。ラビニアはセーラの
その仕草を一時も見逃すまいと、じっと見つめて顔をあげ、その碧眼は黒髪の美少女に傅いて
いるかのようだった。
セーラの唇がラビニアへと重なり、液体が移し込まれて注がれていく。その美少女ふたりの
醸し出す甘美な眺めは、セーラの腰まで流れる黒髪によって遮られていたが、サラッとした髪
が乱れてラビニアに降り注ぐ様は、妖しい黒によって淫絵図として等価な物だった。
(あ、あの時のワインがそうだったの!で、でもラビニアも呑んだわ……ああ、洩れちゃうッ!)
セーラが頭を垂れると、彼女の髪が床の絨毯を掃いた。そして視線はスカートを捲くられた
なにも着けていないヴィナスの恥丘の真下にいるラビニアを捉えていた。
「さあ、来るのよ!セーラ・クルー!いらっしゃいな!」