「・・・ねえ。でも鬼太郎、どうしてあそこにいたの?」
「ああ、いや・・・それは」
大きな瞳で覗き込まれれば嘘はつききれず、つい視線をそらす。
「散歩してたら妖気を感じたから・・・。ほらねこ娘の妖気だったんじゃないかな」
「・・・ふうん?じゃあさ、何で怒ってたの?」
「えっ!?僕は別に・・・怒ってやしないよ」
まさかこんなくだらぬ勘違いでやきもちをやいていたなどと知られるわけにはいかない。
「でも鬼太郎、すっごく・・・怖かった」 「ご・ごめんっ」
「鬼太郎ってもしかして・・・」
ちろちろと見上げた瞳がまるで胸の中までも覗き込まれるようで落ち着かない。
「ああいう格好にコーフンするタイプ?」 「!」
違う。いや違わない。
返答にあねぐ鬼太郎を見ながら、ねこ娘はくすくすと笑いかけた。
<終>