愛天使伝説ウェディングピーチ お色直し4回目

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576名無しか・・・何もかも皆懐かしい
ねこ娘が言うには。
久しぶりに町で鉢合わせた青年画家と話しているうちに、絵画モデルの話になったのだという。
ウェディングドレスを着れるということで、ねこ娘も喜んで通いつめたのだと。
 「だって!なんていうか・・・アコガレがあるじゃないのー。鬼太郎には分かんないだろうけどっ」
子供用に合わせたとはいえ笠のあるドレス。詰め込まれた大箱を抱えながら、
鬼太郎はやはり分からないとばかりに気のない返事を返した。
 「だったら別に・・・隠すこともないじゃないか」
 「隠してなんていないでしょ!」
 「・・・そうかなあ」 「そうよ!」
 「本当に?」 「・・・そりゃあ・・・ちょっと内緒にしてたところもあるけど」
画家に描かれた奇麗なウェディング姿の絵を見せて、びっくりさせてやろうという気持ちも
なかったとは言えない。ねこ娘は口ごもった。
 「ほらね」 「だからーそれは・・・!」
 「モデルだなんて言われてほいほいついて行くなんて。砂かけのこと言えないね?」
 「だって!・・・もしかしたら・・・花嫁衣裳なんて一生着る機会ないかもしれないし・・・」
 「え・・・?」
思わず足を止める。
 「どうしたの?」 「あ・・・いや。君は・・・お嫁さんにはならないの?」
鬼太郎が訊ねると、ねこ娘は困ったように笑い出した。
 「相手がいなきゃお嫁さんにはなれないんだよ?」
 「相手なら・・・っ」
目の前に、ここにいる。
しかしそう言い切るには・・・今日は日が悪い。
散々悪さした代償に、こうして大荷物を運ばされている身だ。
 「なぁに?」 「・・・いや、何でもないよ」 「そう?」
足取りも軽く、ねこ娘はすたすたと先を進んでいく。
ああやはり今言っておくべきだろうか。
しかしいくらなんでもタイミングが悪過ぎる。
もう怒ってないとはいえ、歩幅も合わせてくれないし。
鬼太郎は思考の迷路に立たされて、歩く速度も遅れ気味だった。