いや違う、恋人ではない。
こうして花嫁衣裳の試着をする───婚約者のところへ訪れていたのだ。
「こんな・・・ところで・・・っ」
厳しい目つきで顔を上げる。
乱れた姿を目の当たりにして、鬼太郎も己を制御できそうになかった。
「やぁっ・・・はん・・・んくっ」
びくびくと敏感に反応する柔肌に唇を沿わせ、首筋に胸元にと赤い跡を残していく。
「だ・・・めっ」
抵抗するような言葉を綴ればきゅっと胸を絞り上げ、痛むほど硬く尖った赤いつぼみを
なじるように舌でこね回す。
むしゃぶりつけば、それはまだ自分のねこ娘。
自分だけのねこ娘であることが証明される気がした。
いっそこのまま喰い尽くしてしまいたいほど、鬼太郎は我を失っていたが、
やがて居心地悪そうにもぞもぞと揺れたねこ娘の腰に気付く。
「・・・ほら・・・ね」 「んっ・・・な・何よぅ・・・」
不安そうに見上げるねこ娘に構わず、鬼太郎はくっくっと嫌な笑いを浮かべた。
そして耳元で囁く。
「そんなに腰を揺らして・・・”僕を”欲しがってるじゃないか」
「ニャ!う・・・嘘っ!」
確かに妙な痺れが走っていたけれど、そんなことはしていない。
しかしねこ娘は無意識に、鬼太郎に擦り寄ることで疼きを治めていた。
するすると降りた手がフリルのついたドレスの腰にかかると、
目を見開き慌てて身を捩る。
「い・やっ!」 「もう溢れてるんじゃないのかい?」
「なっなっなっ・・・!」
反論する言葉も出ない。顔を紅潮させたまま、鬼太郎の手をはたく。
「・・・」
表情を失くした鬼太郎。思わず取った行動に申し訳なさそうにちらり目を上げた
ねこ娘の反省した様子を見れば・・・
それが鬼太郎に対する同情にも思えて、怒りにますます表情は凍りついた。