やがて私が大学生になるともう女装がしたくて我慢できなくなり、
その必要もないのに実家を出て、一人暮らしをはじめました、
このとき親父は反対しましたが、母親はすんなり許してくれたことが、世間の逆ではないかと不思議でした、
ある年のお盆に実家に帰った私は、仏壇の隅に小さな位牌があるのに気がつきました、
「これは誰の位牌なのか?」と尋ねた私に、母親は少し悲しそうな顔をして
「実はお前には姉さんがいたんだよ、生まれて一年ほどで病気で死んでしまったけど・・・。」と答えたのです
「俺に姉さんがいた?」まったく知らなかったことです、
しかしこれで私の見ていた変な夢のなぞが解けました、向こうの世界で成長した姉さんの魂が、弟である私の体を借りて、
女の子のファッションを楽しんでいるのだと。そしてもうひとつ驚いたことがあります、ふとしたことで私が女装していることが母親にばれてしまった時のことです、
実家に帰った私の車を、母親が気を利かせて掃除しているうちに、トランクに入れていたのを忘れていた婦人服や下着
そしてウイッグやパンプスの入ったバッグを見つけてしまったのです。