愛の若草物語 ベス 【三女目】

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830名無しか・・・何もかも皆懐かしい
ジョオよりもがさつじゃないのかと思える口調で金髪の少女、カーリーは
さらに粗い言葉をジョオに投げつける。ジョオはようやく落ち着いて返事をした。
「小説を書いてるのよ…。で、あなたは何なの?まさかここまで邪魔しにきたの?」
カーリーはジョオのぶっきら棒な応え方に眉を寄せる。
「邪魔?それどころじゃないんだ!ジョオ、こんなの書いてる場合じゃない!!」
「こんな、って何よ!?私は大切な小説を書いているの!!」
売り言葉に買い言葉、最初から穏やかではなかった二人の間の空気がピリピリと
火花を散らしそうなくらいに緊張していく。カーリーが叫んだ。
「お前、お前は仲間や友達より小説のほうが大切だって言うのか!?」
「仲間や友達?一体どういうことなのよカーリー。」
カーリーの意外な言葉にジョオは険悪な面持ちをいくらか引っ込めて相手に尋ねた。
「北朝鮮が…兵力を集結させているんだ。狙いは間違いなく自衛隊が
駐屯している元山だ…!」 「そ、それ本当なの?」 ジョオは以外な知らせに硬い態度をかなぐり捨てて更に尋ねる。
「本当だ…」カーリーが唇を噛む。 ジョオはペンをひとまず置いて腕を組んで考えこんだ。
「北朝鮮のコマンドや支持者が日本やその周辺各地を襲撃して自衛艦隊
は元山からいったん撤退してしまった。その間隙を突いて…というところね。」
そんなジョオにカーリーが身を屈めてジョオの顔に食いつきそうなぐらいまで 自分の顔を寄せてまくしたてた。
「お前が…せっかくの北朝鮮関連作戦を途中から身を引いてしまったからだ!!」
ジョオもカーリーの口調と態度にムッときて言い返す。
「私は最初から作戦に反対していたのよ!それを無理やりやらせて。
正直言って相手の領地に橋頭堡を築くまでで私の仕事は精一杯!北朝鮮の今後
とかには興味ないのよ!!」
カーリーがジョオの返事に激怒しなければおかしい。
「な、何を言ってるんだ!!そんな、そんないい加減な態度で作戦を立案していたのか、 お前は!!ジョオ!!」
「私は嫌々やらされたのよ!!もう、うんざり!」
ジョオは思い切りそっぱを向いた。
「私にこれ以上北朝鮮とかの事にはタッチさせないで!私は小説を書いていたいのよ!!」
「ジョオ!!」カーリーは身を起こして叫んだ。