愛の若草物語 ベス 【三女目】

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810名無しか・・・何もかも皆懐かしい
スブンはジョオに尋ねた
「どうです。良い島でしょう」
ジョオはうなずいた
「良い島です。朝と夕には涼しい風が吹き昼も日陰にいればなんともありません」
スブンはとても喜んだ
「この島には美味しくて赤くて瑞々しいトマトがたくさん採れます。リンゴのように赤くて僕は大好きです」
実際この島の名物料理は牛肉のトマトソース煮だったのだ
小さな緑のニアノ王女も誇らしげに言った
「この島はぶどうもたくさん取れます。ヒスイのようなキラキラとした美しい粒が」
フランドルのぶどうは美味しく甘かった
ぶどうのジュースはジェラートはとても美味しかった
ジョオは小倉アンパンを食べて人心地ついた
スブンが隣でリンゴを食べているのを横目で見ながら
さらにその隣にはオンゴルが美味そうにラーメンを食べていた
その横にはミルディがたたずんでいて
さらにその横にはニアノがボーっと座っていた
民兵とは世界中で最弱に位置する兵科である
補給車と撃ちあっても大損害を出す可能性がある
私はそんな兵科の一員になった
民兵を使用することに何のメリットがあるのだろうか
値段が安くて済むそれぐらいのものだろう
しかも据え置き型の兵器以上に役に立つこともあるし完全な飼い殺しになることもない
移動させて敵の隙をついて施設を占領可能なことも大きいだろう
弱いが安くてそれなりに使える兵科なのである
世界で一番悲惨で悲しい兵科でもあるが
私は民兵としてサポ市役所に突入して占領したことがある
恨みもない敵兵を打ち倒すのは悲しかった
あの頃。俺は親父と二人暮しで親父はまったく働きもせず…それは俺も一緒だったが…
文字通りの極貧、赤貧、そのものだった。そんな時、いつもあのポニーテールの少女が
ご飯を持ってきてやってきてくれた。
「アリー?いる?これ、おすそわけよ。」
あの鼻にかかりぎみの甘ったるい、それでいて元気な声を聞くたびに生き返る思いがしたものだった。