愛の若草物語 ベス 【三女目】

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772名無しか・・・何もかも皆懐かしい
「ジョオ、落ち着きなさい。お父様がどこにいるかもわからないのに、あなた一人で
助けに行こうだなんて無茶な話だわ。戦争が終わればきっと無事に帰って来るわ、おの人は。」
「そんな、私は、私はとても待つなんて事、そんな悠長なこと、言ってられない!!」
ジョオのわからず屋ぶりにアンソニーが叫んだ。
「ジョオ、落ち着くんだ。無茶な事を言ってはいけないよ。一体、どこへ助けに行こう
って言うんだ?場所がわかってもどうやって助けるんだい?君のために努力してくれる人は
合衆国政府や軍にいるんだ。無理なことをしてはいけない。落ち着いて。きっと君のお父さんは
無事に帰ってこれるさ。」
ベスもジョオに声をかける。
「ジョオ、私だっていても立ってもいられない気持ちよ。私だってできる事ならお父様を助けたい。
でも、そんなことは私はもちろん、ジョオにだってできやしないわ。だから…みんなで無事を…
お父様の無事を待ちましょ。」
メグもエイミーも当然のようにジョオを諌め、止めた。ジョオはその場では踏みとどまらざるを
えなかった。
その夜、ローレンス邸の庭に立つ二つの影を月光がぼんやりと照らしていた。
ジョオとローリーだった。ジョオは手を後ろに組みつつ、ローリーの方を
振り向いて言った。
「それ、本当なのね?」
ローリーはジョオを見つめてうなづいた。
「うん…本当だよ。ジョオのためだもの。」
「嬉しい!」
ジョオはローリーに抱きついた。
「ジ、ジョオ…。」
自分の髪の毛を照れ隠しになでつけつつローリーはささやいた。
「ローリー。あなたならきっとOKしてくれると思ってた…さすが私の友達だわ!」
「う、うん。僕はそう、ジョオの一番の友達になりたいといつも思っているから。」
「本当に嬉しいこと言ってくれるのね…。」
「うん…。ジョオのためだもの。」
二人はいつの間にか、どんどん顔を近づけつつ話していた。
「それじゃローリー。決行日は…」