>>886 http://courtdomino2.courts.go.jp/chizai.nsf/Listview01/27E3DE7D0CD6356249256BE200353BDD/?OpenDocument (2) 原告の寄与の程度
ア 事実認定
前掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下のとおりの事実が認められ,これを覆すに足りる証拠はない。
ウ 原告の主張に対する判断
(ア) 原告は,本件著作物1の製作過程において,波動砲,波動エンジン等のアイデアを提供したこととなっていることなどを根拠に,
原告(=松本零士)が全体的形成に創作的に寄与した者である旨主張する。しかし,前記(2)において認定したとおり,
原告の関与した作業内容は,美術及び設定デザインの一部であって,本件著作物1(=宇宙戦艦ヤマトTV版)の全体からみれば,
部分的な行為にすぎないといえるから,原告がこれらの作業を担当したことによって,全体的形成に創作的に寄与したということはできない。
(イ) 原告は,創作ノートに基づく本件著作物1の全体的形成に創作的に寄与したと解すべきである旨主張する
。しかし,原作の上記主張は,以下のとおり≪失当≫である。
原告(=松本零士)が本件著作物1の製作に関与したのは昭和49年4月ころであること,1頁目には,5月21日と日付が記載されている
本件著作物1の第1回目の放映は同年10月6日であり,番組放映の直前に原作が決定するとはおよそ考え難い
(エ) 原告は,昭和36年(1961年)に原告が著作公表した「電光オズマ」における「大和作品」を発展,昇華させたもので,
同作品における物語の基本構成,場所的・空間的設定,機械構造物及び主要登場人物の各点において本件著作物1と共通する旨主張する。しかし,
≪両作品の全体のストーリーは全く異なり≫,アイデアに共通性があるだけであるから,そのことをもって,
原告(=松本零士)を本件著作物1(=宇宙戦艦ヤマトTV版)の全体的形成に創作的に寄与した者であるということはできない。