[DVD発売!]ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー8

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『アッケンコロチンプルンゲと5時間目の秘密』

マサトは授業の為に学校に来ているわけではありませんでした。
『授業なんてものはご飯を食べるための布石にしか過ぎない』、これが彼の
座右の銘で、それを彼は忠実に実行していました。

まず4時間目が終ると配膳室までダッシュしてメニューをチェックします。
他の皆は、あらかじめその日のメニューを調べておくのですが、マサトにとっては
そんなものは邪道中の邪道。給食直前に配膳室で調べるのが通のたしなみなのです。
さて、今日もマサトはダッシュで配膳室にやってきました。いつもスピードを出しすぎて
とても止まれないので、ブレーキ代わりに扉をこじ開けます。たまたま鍵が閉まっていて
扉の鍵を破壊したことも一回や二回ではありませんでした。
そして、視線の先にあるのは、メニュー。
「12月1日   主食 ソフトめん・ミートソース  副菜 若鶏の甘酢あんかけ
         デザート アッケンコロチンプルンゲ」
マサトの目の動きはデザートのところで止まってしまいました。
主食と副菜はいいとして、デザート。それは聞いたこともないような
いかにも怪しいくて、着色料や保存料がはいっていそうなデザートです。
首の角度を変えずに振り向くようにして、マサトは配膳台車を見ます。
ソフトめんの水色の箱、ミートソースの銀色のバケツ、甘酢あんかけの銀色の箱、
それぞれが4クラス分あります。しかし、アッケンコロチンプルンゲが入っている箱だけは、
どこにも見つかりません。そこで気付いたのです、きっと配膳室のメニューに誰かいたずら書きを
したのです。それならば配膳台車にその箱が無いことに納得が十分いきます。
マサトは安心して、配膳台車を教室の前に運んでいきました。