江戸川区のラーメン屋だけを語るスレ 27杯目

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285ラーメン大好き@名無しさん
本田靖春 「虫眼鏡でのぞいた大東京」 より抜粋


  江戸川区北小岩四丁目先無番地。といったのではだれも見当がつかない。
京成電鉄江戸川鉄橋下の河川敷。二十六年五月に数人が住みついて、いち
ばん住人の多い四十五年四月には三百四十八人がいた。
  いまでは百軒のバラックに二百六、七十人ばかり。ひしめき合った家と家の
あいだに、段ボール、古新聞、金属などが、山と積まれている。
  この集落では、東京の人びとがとっくに捨て去った生活を、目のあたりに見る
ことができる。手押しのポンプ式井戸、木のタライ。でも、だれ一人、ここへきて
タイムトンネルをのぞこうとするものはない。彼らの半数以上は、戦前、朝鮮半
島から連れてこられた。
  ここにはノラを含めて百匹からの犬がいる。それをむりに追い出せないのは、
ひとしい運命をその上に彼らがみているからかも知れない。
  住民は区側に住民税の支払いを要求≠オて、まだ果たせないでいる。電気
も欲しいし、ガスも欲しい――。
  住民の一人が、工事現場用のディゼル式発電機を持っている。出力三十キロ
ワット。全戸の電灯は賄えるが、過熱で長くはもたない。配電は午後六時から
十一時。それでも東電の電気代の三倍につく。
  移転の話は何度も出たが、折り合いがつかない。廃品回収業には仕切場や
車の置場が必要で、都営住宅というわけにもいかないのである。
  やがて台風の季節。例年、集落は水浸しになる。河川敷を不法占拠している
スラムは、東京でここだけになった。
                                (『文藝春秋』 73年11月号)


           『本田靖春 「戦後」を追い続けたジャーナリスト』 河出書房新社
                   (KAWADE夢ムック 文藝別冊) P.174-175 に収録

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