日本を訪れるアジア圏の旅行者が増える中、JR東日本や私鉄では、鉄道の駅名や乗り場などの
案内表示を中国語や韓国語で示す取り組みが広がる。しかし、日本の大動脈の東海道新幹線を
運行するJR東海は英語表示のみ。国土交通省は2009年、英語以外での表示の必要性を指摘したが、
JR東海は「(複数の外国語を使うと表示の)文字が小さくなる」と説明し、駅での案内表示のあり方に
一石を投じている。
駅などでの外国語サービスのあり方について、国交省は06年、「『おもてなし』の観点から英語以外の
外国語でも情報提供を行うことがさらに望ましい」とのガイドラインを示した。
JR東海に対する09年の業務監査でも「他社の駅施設では中国語や韓国語などの表記があるが、
JR東海はない」と指摘。「来訪外国人の約7割がアジア圏からで、外国人を意識した表記について
検討が必要」とした。
これに対し、JR東海は「国際的共通語の英語をできるだけ大きな字で記すのが基本」と主張。
英語が分からない人には窓口などにフランス語、中国語、韓国語のよくある質問の問答集を置くほか、
看板に絵文字を併記。多言語表示は「限られたスペースの中で文字が小さくなり、見づらくなる
おそれがある」と答える。
現在は、キャリーバッグの扱いや緊急ドアを引っぱらないよう呼び掛ける注意書きについては
英語以外でも表示。券売機での多言語対応は一部にとどまっているが「高齢社会に配慮し、
日本語を大きな文字で表記している。対応は現状で十分」と主張する。
東洋大の飯嶋好彦教授(国際観光学)は「駅や電車内での対応が難しいなら、新幹線車内の座席に置く
パンフレットに中国語や韓国語での乗り換え情報などを入れるといった工夫は必要では」と指摘している。(以下省略)
※以下の部分はソース元にてご確認ください。
ソース/中日新聞社
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014050690085451.html