★ 有楽町駅前火災 品川駅「副拠点機能」期待はずれのわけは?
JR有楽町駅(東京都千代田区)付近で3日早朝に発生した沿線火災で、東京−品川間で5時間余りに
わたり運転を見合わせ、約32万人に影響が出た東海道新幹線。平成15年に開業した新幹線の品川駅は
災害時に、東京駅を代替する「サブターミナル拠点」としての機能を果たすと期待されていたが、
今回は“期待はずれ”の結果に。なぜ品川駅は機能しなかったのか。
■Uターンラッシュ
品川駅は、上下2つのホームに4本の線路と、3本の引き上げ線を備え、大井車両基地につながる
回送線とも直結。今回のような輸送混乱時には、新大阪方面からの列車を品川駅で「折り返し運転」
ができる構造だった。
JR東海によると、今回の火災で東海道新幹線は、午前6時35分ごろから運転を見合わせた。
午前10時ごろから品川駅での折り返し運転が始まったが、運行本数は1時間に2本程度。平常時
(1時間に最大15本)と比べ圧倒的に少なく、Uターンラッシュも重なり、駅は人であふれかえった。
■「最大限対応した」
本数を絞ったのは、運転士や車掌、車内清掃ら交代要員が、普段は東京駅に配置されていたため、
急遽(きゅうきょ)品川駅に配置できなかったからだ。JR東海は「東京駅で折り返し運転ができるまで
お待ちいただくのが最適と判断した。7本の臨時列車を増発し、最大限対応した」と説明する。
しかし「消防による消火活動が難航し、思いのほか時間がかかった」(JR東海)との“誤算”もあり、
午前11時55分に東京−品川間で運転が再開された後もダイヤは回復せず、遅延は終日続く結果となった。
公共交通に詳しい関西大の安部誠治教授(公益事業論)は「JR東海は品川駅の拠点機能を重視し、
災害に備えた想定をしておくべきだった」と指摘している。
ITmedia/産経新聞
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1401/08/news040.html