【大阪の性犯罪】
ゆがんだ小児性愛 新更生プログラムに期待
2013.1.7 21:05 (1/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130107/waf13010721080020-n1.htm 大阪で平成23年に発生した強制わいせつ事件では、被害者の17%が小学生、18歳未満に広げると42%に上り、低年齢層の被害が目立つ。
こうした実態を受けて、大阪府は子供への性犯罪を防ぐために、性犯罪の前歴者向けに独自の「更生プログラム」を作成、昨年10月から運用を始めている。
加害者を「支援」することで、再犯防止につなげたい考えだ。
府では昨年、子供への性犯罪前歴者に、居住地などの届け出を全国で初めて義務づけた「府子どもを性犯罪から守る条例」が施行された。
更生プログラムはその登録者が受講できるようになっている。
プログラムの作成に携わった大阪大大学院の藤岡淳子教授(犯罪臨床心理学)は「小児性愛は、思うようにいかないストレスから目覚め、後天的に現れる場合が多い」と話す。
典型的なのが働き盛りの世代。
仕事などがうまくいかずに激しいストレスを感じたとき、自分より弱い存在の少女を、性的に力尽くで征服したいという衝動がわき起こるケースは少なくない。
(2/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130107/waf13010721080020-n2.htm 法務省は昨年末、性犯罪の受刑者らを対象に、18年から導入した心理学に基づく性犯罪者更生プログラムの検証結果を公表。
面談やグループワークを通じて感情をコントロールする方法などを身につけさせるもので、再犯率は受講者が12・8%と、非受講者(15・4%)よりやや低かったものの「効果は実証できなかった」(同省)。
藤岡教授は「法務省のプログラムは性衝動を避けようとするもの。禁止されるほどかえってそのことばかりを考えて実生活が先細りになる」と指摘。
府のプログラムでは、生活に目標を設定、達成して充実感を持たせるためのポジティブな思考トレーニングを取り入れた。
藤岡教授は「たとえ10%でも再犯率が下がれば、多くの被害者が生まれずにすむ」と効果に期待している。