http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120910-OYT8T00099.htm 東京電力福島第一原発事故の影響で、観光客の減少や農産物の売り上げ不振などに
悩む福島県を応援しようと、静岡県富士市の富士常葉大の学生13人が会津若松市を訪れ、
事前に知人らから注文を受けた地酒や農産物を買い付けた。学生は「福島の実情を多くの
人に伝えて、風評被害をなくしたい」としている。
この試みは、同大総合経営学部の大久保あかね教授(49)のゼミ生が取り組む「顔(がん)
晴(ば)ろう! 福島プロジェクト」の一環。ゼミ生ら同大3年の13人が「おつかいし隊」と称して、
6日から2泊3日で会津若松市を訪れ、58人から注文を取った地酒や農産物など49万円分を買い付けた。
学生たちは出発前、知人に申込書を渡したほか、富士市内のイベントで来場者に配った。
「野菜」「地酒」「銘菓・郷土食材」の3コースから1口5000円で受け付け、現地では農作業を
手伝って野菜を購入したり、地元でしか手に入らない地酒を買ったりした。
会津若松市神指町南四合の農家佐瀬正さん(67)の畑では、学生4人がナスやキュウリの
収穫を手伝い、1万6200円分の野菜を購入。放射性物質を検査して安全性も確認した。
1キロ・グラムのタマネギを細かく切って検査容器に入れるだけで40分もかかり、全ての
作業を終えるまでには、さらに1時間を要した。
祖父母が静岡県富士宮市で専業農家をしている同大3年の遠藤夢乃さん(20)は「手間が
かかることに驚いた。安全なのに偏見で買われないのは悲しい」と話した。佐瀬さんは「遠くの
人に思いを伝えるのは難しいので、学生の情報発信はとても心強い」と喜んでいた。買った品は、
学生が書いた現地のリポートを添えて発送する予定だ。