現代思想からオタクカルチャーまで縦横に語り、若者から絶大な支持を受けている思想家・東浩紀。
先日も、自らが中心となって「新日本国憲法」を起草し、話題になったばかりだ。
そんな“行動する思想家”が、またしても刺激的な計画を温めているという。週プレが、メディア一番乗りでインタビューを敢行した。
■若者が「ヤバいよ!」と言ってくるくらいの刺激的な観光地に
―去る7月29日、現代美術グループ・Chim↑Pomとのトークイベントに招かれた東浩紀は、その席で「福島第一原発観光地化計画」を語った。
読んで字のごとく、爆発事故を起こした福島第一原発=フクイチを観光地にしようという提案だ。
今なお事態収拾のメドが立たず、日本の“はれもの”扱いされている土地をめぐって、なぜ思想家である東はそんなとんでもない計画をブチ上げたのか?
東が代表を務める出版社「株式会社ゲンロン」のオフィスで話を聞いた。
今、福島の問題について語るのは非常に困難です。僕みたいに東京に住んでいる人間が軽率なことを言おうものなら、
“良識派”の人々から「被災者の心を傷つけるつもりか」と叩かれる。しかし、福島の人々の心を勝手に慮ることこそ、最悪ではないでしょうか。
福島について口を閉ざすことは震災の記憶を風化させることにつながると思うし、現実にそうなりつつあります。
だから、僕は人々の関心をここにつなぎとめるために、「福島第一原発観光地化計画」を提案したい。
なぜなら、観光地にするということは、その土地を記憶に留めるということですから。
今はまだ汚染がひどくてそれどころじゃないけど、20年後、30年後には、この土地をどうするかっていう議論が必ず出てくると思います。
そのときのために、今からシミュレーションをしようという意味もあります。
http://wpb.shueisha.co.jp/2012/09/04/13790/