県総合学校教育センターは21日、希少な野生生物をまとめた県のレッドデータブック(RDB)で絶滅種に指定され、
県内では絶滅したとされていた水生植物「ヒシモドキ」を津軽地方の池で発見した−と発表した。県内での実物確認は約60年ぶりとみられる。
ヒシモドキはヒシモドキ科ヒシモドキ属に分類され、自然度の高い沼地に生育する。県RDBで最高ランクの絶滅野生生物(EXランク)、
環境省RDBで絶滅危惧1B類に指定されている。
同センター産業教育課によると、同課の奈良岡隆樹指導主事が4日、農村地帯の生物調査で津軽地方の池を訪れ、
ヒシモドキと思われる植物を発見した。奈良岡さんは「ヒシという植物に似ていると思ったが、葉の付き方がちょっと違った」と振り返る。
その後、津軽植物の会の木村啓会長と、植物研究家の細井幸兵衛さんがヒシモドキと確認した。
同センターは発見場所を、採取・盗掘や周辺環境が荒らされる恐れがあるとして公表していないが、池は私有地で、
面積約50平方メートルのうちの半分ほどに繁殖していたという。
木村会長は「根が浅いヒシモドキは浅い沼地でないと生き残れない。ため池や沼が深くなるなどの改良が県内で進み姿を消したのでは」と分析。
「生息していたと聞き驚いた。今後、違う場所で見つかるとは現時点では考えにくい。大発見といっていい」と話した。
県RDBによると、県内では、旧木造町(現つがる市)の田光沼(たっぴぬま)で採集した標本が1956年、
国立科学博物館主催のおしば展で出品された例が過去にあった。
ソース 北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/aomori/398146.html 【写真説明】青森県内で約60年ぶりに見つかった水生植物「ヒシモドキ」=14日(青森県総合学校教育センター提供)
http://cgi.daily-tohoku.co.jp/cgi-bin/news/2012/08/22/img12082208top_l.jpg