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岡田克也幹事長、前原誠二外相、馬淵澄夫国交相ら民主党首脳は、
新幹線の未着工区間に対して冷ややかな発言を繰り返してきた。
前原外相は、国交相のとき札幌で、
「私自身は反対ではないが、北海道新幹線はつくっても儲からないと思っている」と発言。
岡田幹事長も3ヶ月ほど前、札幌の支援者の前で
「新幹線をやろうとしたときは、もっと人口が増える形で計算しているから必要なんだという言い方になるが、
これからは航空と港湾の時代で、新幹線の時代じゃない」と語って出席者を慄然とさせた。
同じ頃、上田文雄札幌市長と懇談した馬淵国交相も、
「飛行機と新幹線と道路と、北海道はどれを選択するんですか。
昔と違って何でもやれる時代じゃない。北海道はその選択をすべきだ」と語っている。
◆一般財源化された1兆2000億円
民主党政権が突きつけた新たなハードルに対して”新幹線のドン”森喜朗元首相が激怒した。
「金沢以西の整備において、敦賀以西が整理されるまで先送りとされたが、
これはこれまでも『とりあえず進めよう』としていたはず。
それが、整理できるまでやらないというのは、とんだいいがかりだ。
採算性とか投資効果という話も言われているが、これは30年前、40年前に解決された話だ』とカンカン。
さて新幹線の財源問題で、年末に激しい攻防が繰り広げられていた。
標的となったのは鉄道運輸機構の「特例剰余勘定」だった。
この勘定は旧国鉄清算事業団の勘定を継承したもので、09年度末の剰余金は1兆4500億円。
財務省では、政府予算の財源として、この剰余金を国庫に返納させたい考え。
対する自民党は剰余金の国庫返納には断固反対。
「新幹線は財源問題に苦しみ続けた。みんなの血の努力で生まれた剰余金を、
新幹線建設や並行在来線支援に活用すべきだ」(森喜朗元首相)として、
自民党は関係法案改正案を提出した。
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一方国交省では剰余金についてはすべて国庫に返すのではなく、3つの使い方を示していた。
1つはJR3島(北海道、四国、九州)会社の経営支援。
2つ目は整備新幹線の建設。
3つ目は並行在来線の経営分離のため、というもの。
しかし、結果は1兆4500億円のうち1兆2000億円が国庫返納となり、
一般財源化され、年金の財源に使われることになった。
新幹線の財源が消えた。
そのちょっと前の12月6日、民主党の「整備新幹線を推進する議員の会」の役員が開かれ、
急遽JR北海道、JR西日本、JR九州のトップが呼ばれたが、
民主党の国会議員はたったの2人しか出席しておらず、「やる気のなさ」を強く印象づけていた。
中央政界筋では次のように分析している。
「民主党の中には整備新幹線を取りまとめるリーダーがいない。
自公時代のような新幹線を進めて並行在来線を切る考えはない。
民主党自体、並行在来線を守ることに意義を見いだしている政党だ。
民主党は選挙を意識して新規着工していく考え方はとらないと思う」
「それと、鉄道運輸機構の剰余金問題では、財務省は馬淵国交大臣が問責決議を受けていることから、
国交省の言うことを聞かず、剰余金問題の司令塔が主計局主導になった」と。
前述の通り鉄道運輸機構の剰余金は、09年度までで1兆4500億円。
このうち1兆2000億円が国庫返納され、年金の財源に回される。
◆剰余金スキームでは「お先真っ暗」
鉄道運輸機構に残るのは2500億円。
さらに今後、2010年度から2020年度までの10年間で剰余金が6000億円積み上がる。
これはそっくり鉄道運輸機構に据え置きされる。結果、計8500億円が鉄道部門に活用できることになる。
これが未着工3ルートの方に回れば、札幌延伸にも希望が出てくる。
だがそうは簡単にはいかない。
まず、JR北海道、JR四国などの経営支援のためにザッと6000億円は必要とされている。
さらに、長野オリンピックのために、あわてて高崎=長野間の建設をやり、国が全部立て替えていた。
この新幹線債務償還の一部に充当することや、並行在来線の支援もあって、
これに2500億円は必要とされている。
ただ貸付金として払っていたものがあるので、それが剰余金の形で2500億円出てくるのだという。
しかし誰も言わないのだが、北海道新幹線の函館=青森間など既設の新幹線建設で、
物価高騰のため当初の見積もりより2800億円も建設費が不足しており、
その財源も必要なのだという。
「つまり剰余金勘定の分のスキームで計算すると『お先真っ暗』ということになるんです。
これからはわずかな財源をめぐって、3ルートの中で分捕り合戦が始まるでしょう。
とすると1兆円もかかる札幌延伸ルートは絶望的ということです」と中央の有力関係者語っている。(以上)
↑結論:★つまり札幌延伸の可能性はゼロということだ。(戯画爆笑!!!!!!!