http://www.isenp.co.jp/news/20110804/news01.htm 三岐鉄道北勢線の運営資金 東員町は拠出しない方針
桑名市といなべ市を結ぶ三岐鉄道北勢線(二〇・四キロ)で、沿線市町の東員町が平成二十五年度以降は運営資金を拠出しない方針であることが、三日までに分かった。
同線は過去に、沿線市町が二十四年度までの運営資金を拠出するなどして存続した経緯があり、再び廃線の可能性もある。
水谷俊郎東員町長は二十二日に予定している「知事と市町長との一対一対談」で、この方針を伝えるとともに、県による調整を求めるとみられる。
北勢線をめぐっては平成十二年、近畿日本鉄道が経営改善のために廃線を表明。当時の桑名市、東員町、員弁町、北勢町の沿線四市町のほか、周辺五町が存続を求め、三岐鉄道に運行を依頼。
県にも支援を要望し、県と四市町で鉄道用地取得費の三億六千万円を折半した。これら四市町は合併交付金を使い、十五年度から十カ年度分の運営資金五十五億円を拠出。
十五年四月には経営が近鉄から三岐鉄道に引き継がれ、新体制での運行が始まった。
存続が決まった当初は十年後の黒字経営を見込んでおり、市町はその後の運営資金を拠出しないとの前提があった。
市町村合併で現在は桑名、いなべの両市と東員町が沿線自治体となっており、今後の資金援助について、水面下で協議が始まっている。
水谷町長は、一日に桑名市内であった知事と市町長との意見交換の場「トップ会議」の席上、県に対して「公共交通に対しては、それぞれの地域が意見を持っている。
責任を取ってもらう必要はないから、積極的に仲裁に入ってほしい」と求めた。
一方、北勢線は全国でも三本しかないナローゲージ(軌間の狭い)線路を持ち、鉄道ファンにも人気があるという。
県は「三岐鉄道も努力されている」として、利用客増加に期待感を示すとともに、地元市町の意向を優先させるとした。
県も出資する伊勢鉄道を除いては、県から鉄道事業への運営資金補助は前例がない。