「青山町行きの快速」まさに文太が乗るべき電車です。
最後尾の車両に駆け込み乗車をしようとした瞬間、ドアが閉まりました。
寒い時期でもあり、車掌が気を効かせて、再度ドアを開け閉めしてくれるかと
期待しましたが、そのまま発車していきました。
最後尾の車両だったので、ゆっくりと進む列車の車掌室の窓から、澄ました
担当車掌の顔を、はっきりと識別することができました。
21時47分発ですが、自分の時計を確認するとぴったりです。
特に遅延しているわけでもないので、「1度くらい開け閉めしてくれても、よさそう
なものだ」と思うと、酔いも手伝ってムカッときました。
ホームを歩いていたら、駅員がいたので、つい悪態をついてしまいました。
先ほどの駅員が構内電話をかけていました。
彼は文太を見つけると、今上司に報告したので、まもなく謝罪にくるといいます。
その上司らしき駅員が近寄ってきて、おわびの言葉を言っていたようですが、こちら
は気恥ずかしいので、そ知らぬ顔を装ってしまいました。
近鉄の場合は営業距離が長く、地下鉄のように頻繁に列車が来るというものでなく、特に
この駅の場合は、吹きさらしの寒いホームとなっています。
安全運行を確保しながら、ぎりぎりの思いやりがあっても良いのではないかと思う次第です。
あの車掌のような澄まし顔では、乗客も離れていくというものです。