キハ搭載のディーゼルエンジンを語るスッレド 4気筒

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648名無し野電車区
モータの整流悪化は電機子反作用の問題で、直巻きか分巻きかは関係しない。

電機子反作用というのは、電機子電流自身が生成する磁界の影響で、
界磁による磁界が影響を受けて発生する現象全般を言う。

界磁磁路鉄芯が飽和特性を持つから、電機子電流分の磁界が加わる方向には界磁の磁束は増えず、
減る方向にのみ影響が出て、中性点の移動が起こり、整流子をブラシが短絡する巻き線に電圧を生じて
短絡電流が流れて整流悪化、火花発生となる。
(ブラシは電圧ゼロの巻き線の整流子を短絡して接続方向を変えるタテマエ)

それを避け、緩和するために、固定子側に電機子電流による起磁力を打ち消す「補償巻き線」を設けて中和したり、
ブラシで短絡するコイルに逆方向電圧を発生させる「補極」を設けて短絡電機子巻き線の起電力を
打ち消して短絡電流を発生させない工夫をしている。

そのとき「弱界磁」制御は主界磁の磁束を減らす制御なので、電機子電流による磁束の比率が相対的に大きくなり、
整流が悪化する。このため弱界磁制御の磁束は概ね2/3程度までが実用上の限界となっている。

鉄道で言う弱界磁率は、界磁を励磁する電流比を言うので、磁路の飽和が大きく効いて、電流比では公称30%〜50%だが、
モータ特性に直接影響する磁束比でみれば2/3:67%前後である。
このことは、並列フルノッチ速度と、弱界磁フルノッチ速度を比較してみれば概ね2/3の逆数の3/2になっていることからも確認される。
例えば36km/h→54km/hとか、54km/h→80km/hとかね………。「25%」も励磁電流比であり、磁束比じゃあない。
649名無し野電車区:2008/10/08(水) 23:24:39 ID:BycRgdjA0
[弱界磁制御:補足]
モーターの起動は通常最大電流、最大磁束で行うから、電機子に発生する逆起電力は速度に比例し、
逆起電力と架線電圧の差で最大電流になるよう抵抗を挿入するのが抵抗制御、抵抗起動と言われる方式だが、
挿入抵抗がゼロになると、逆起電力が架線電圧に接近してそれ以上加速できなくなる。

 この状態で、励磁電流だけを減らすと逆起電力≡発電電圧は磁束比例で減って更に電機子電流を増やせる。
すなわち電圧が架線電圧一定ながら、平衡回転数が磁束反比例で上げられ、最大電流を保てる。

この界磁磁束を減らす制御が「弱界磁制御」だが、その範囲では電圧と電流が一定だから「定電力制御」ともいう。
その代わり、駆動トルクは速度反比例となる。その限界が全界磁フルノッチの3/2=1.5倍程度なのは先出通り。

それ以上は直巻きモータでは「特性領域」といって、トルクは速度の2乗に反比例する。

#この特性形はじつはVVVFで誘導電動機を制御する場合もそっくりなのだ。
フルノッチまでがVVVF領域、そこからスベリ限界までのCVVF領域が弱界磁領域に相当、その先は急激にトルクが落ちる特性領域に相当。