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名無し野電車区:
主力の常磐線は、県南エリアで東京方面への通勤路線として重要な役割を持つ。水戸・日
立へはビジネス利用が多い。団塊世代の大量退職が始まり、通勤客は将来的に減少傾向が強
まると予想される。さらに、二〇〇五年に開業したつくば市と東京・秋葉原を結ぶつくばエ
クスプレス(TX)との競争が激化しており、対抗策に迫られていた。
そのため同支社では数億円をかけて駅のホームや設備の改修工事に乗り出し、常磐線のイ
メージアップを強化。新型車両による特別快速(上野−土浦)の運行や特急「フレッシュひ
たち」増発に取り組んだ。常磐線全体の利用客は人口減少に伴い減っているが、「スーパー
ひたち」など特急列車の利用客は増加。景気回復の影響もあり、工場進出が続くひたちなか
地区へのビジネス路線としての位置付けも強まる。また、水戸周辺の各駅では利用者が増え
ており、マンション建設や大型商業施設の進出といった都市の再開発が鉄道へも好影響を与
え始めた。
今後は、数年後に予定される常磐線の東京駅乗り入れがさらなる利便性向上の鍵となりそ
うだ。東京駅乗り入れに伴い、他線への相互運行も可能となり、格段に利便性が増す。「東
京駅乗り入れに向けて常磐線全体をどう体系づくっていくか検討していきたい」と江川支社長。
通勤や通学の足となっている水郡線や水戸線のローカル線は少子高齢化の影響を直接受け
ているが、水郡線には新型車両を導入するなど活性化も。新型車両は、窒素酸化物排出を抑
えた最新のエンジンを搭載し、両開きタイプの三扉ドアを採用して乗り降りを便利にしたの
が特徴。両線とも利用が増えている水戸方面への利便性を向上させれば、決して将来は暗く
なさそうだ。 また、観光面にも力を入れる。江川支社長は「高齢化が進んでいるが、旅行
慣れした層が増えており、マイナス面ばかりではない。沿線自治体ともタイアップして観光
誘客を活発にしていければ」と力を込める。同支社では、水郡線や水戸線で観光誘客キャン
ペーンを展開し、首都圏からの観光客誘致に乗り出している。旅行商品なども開発したこと
で観光客増加につながっている。