>>110 ピクトリアル臨増車両年鑑321系オフィシャル記事より抜粋・要約:
「2001年の次世代車両PT(プロジェクト)による検討からスタートした。
207・223系以降の新型車両投入により、単なる取替に留まらない改善効果が見込まれた。
そこで取替計画を前倒しして数百両規模の大量投入を計画し、PTを中心として検討を行ってきた。
そして次世代の標準車とするためシステム再構築を行い新形式車両として新製した。」
#PT=プロジェクトチームの略だろう。
2001年と言えば201系が南アーバン各線で夜間に試運転を行っている。
その後の経緯は御承知の通りで、数百両規模というのもD207を800両新造する説を裏付ける。
「VVVFの制御単位を1C2Mとし、パンタ給電範囲での主回路配線の引き通しを行った。
SIVについて車両間並列制御を採用し各車毎に搭載を行うことで小容量化を図った。」
#これまでSIVが1機ダウンしたとき主制御器の1群を解放して割り当てていたのを
U@techのようにSIV側だけで解決させるが、
平常時はM-M'(-M')のユニット内にあるSIVを各機で75kVAずつ出力し
1機ダウン時はユニットの相方が150kVAへ増大する仕組みなんだろう。
>>424の続き
「これまでのモニタ装置では新しいニーズ(乗務員・検修支援)の実現や
力行・ブレーキの編成統括制御並び将来のシステム拡張に対して貧弱であった。
そこで今回新たにデジタル伝送装置を採用し、乗務員支援
(装置開放・リセット操作の自動化、処置の音声・画面支援によるダウンタイム削減)、
検修支援(自動試験機能、自動判定機能による効率化)を図った。
通信伝送として将来、汎用機器(測定機器・カメラ等の)拡張接続が可能な設計を行った。
システムについては各車両2台のデジタル伝送装置からなる冗長系に加え、従来の引通し線も残した。
伝送装置ハード・ソフト双方の安定・信頼性を示すデータが蓄積できた後、
伝送のみで制御するシステムに遷移させる予定である。」
#デジタル伝送は321系の目玉だが、編成の動力制御を行っている割に
ブレーキが安定しないのは?雨天時運転モードというのも隠れているのかな。
D207で言われていた走行中の軽故障を自動で修復というのは「自動判別機能」や
各機器の自動化があって可能なんだろう。カメラ接続可能というのは
異常時にカメラで機器患部の画像を運転指令へ自動送信するという前評判も大袈裟じゃ無さそうだ。
各車に伝送装置が2台というのは、石橋を叩きまくってるな。
>>425の続き
「車体断面については223系近郊型直流電車を基本とし、
通勤・近郊共通断面として各部の寸法の見直しを行った。」
「(台車は)今後の近郊型と通勤型の統一を目的とし、
最高速度120km/h仕様であるが130km/h近郊タイプを考慮した。
省メンテナンス化を図るため、非接触子タイプの速度発電機、
空気ホースのワンタッチカプラを採用した。」
#西日本内規で既に通勤型・近郊型の区分は「通勤・近郊=一般」型としており
321系で設計共通化・統一コンセプトが具体的に相当前進した形となった。
登場前の話として、通勤・近郊型の融合が非常に強く打ち出される方針も言われたが
とりあえず「通勤型電車」という括りに落ち着いたようだ。
台車〜艤装間接続の空気ホースをワンタッチ(=カチット)化したのは画期的かな。
「M車を基本形式の同一床下艤装として装置の有無で形式が決まることとした。
あらゆる両数の編成パターンで組成でき、運用線区の輸送量に応じた
効率的な編成を組むことが可能である。」
「屋根上においては207系同様、将来のJR東西線乗り入れ(剛体架線対応)を考慮し
パンタグラフは2台装備とした。」
#1パン時代に該当線区で試運転を行っているが、支障なければそのまま供用するつもりだったのかな?
量産中に仕様変更をかけた箇所だから気になるところではある。
あらゆる両数とは言うが、『鉄道車両と技術』では7両までのパターンしか示さなかったし
『とれいん』誌の解説では本来6両までしか考慮してないと書かれている。
環状線や新快速の8両編成は最低限考慮していないと、拡張性を誇れないかと。