兵庫:余部鉄橋架け替え 「安全第一 現橋撤去を」
直下の浜自治会求める (2006年6月28日 読売新聞)
今年度に架け替え工事が始まるJR山陰線余部鉄橋(香美町香住区余部)について考える
第2回香美町余部鉄橋利活用検討会が26日夜、町香住文化会館で開かれ、同鉄橋の真下の
住民らが所属する浜自治会(60世帯)から、架け替え後、現橋の撤去を求める意見が出た。
同自治会の北村寿久会長は「安全第一を考え、全面撤去という結論に至った」と述べ、自治会の
臨時総会で撤去を求める声が多数を占めたことを伝えた。
同鉄橋は強風による列車の運行への影響を少なくするため、コンクリート橋に架け替えることに
なり、新橋は2010年度に完成予定。現橋は重要な観光資源として、県や町が利活用検討会を
開き、保存法などを考えている。
町の検討会には、自治会や観光関係の代表者ら約30人が委員として出席。北村会長は、35人が
出席した22日の臨時総会の結果、撤去を求める理由として
▽現橋を残すとしても、新橋と重なる東側約80メートルは撤去しなければならず、景観が損なわれる
▽点検、維持管理費用の負担への不安
▽老朽化した現橋からの落下物の恐れ
――などを挙げた。
その上で、「(住民は)鉄橋と共に生活し、愛着を感じている。その橋と別れるという決断をしなければ
ならないことをくんでほしい」などと述べた。
他の委員からは「(鉄橋に)身近な人の思いは一番大切」「観光資源の一つ。撤去するのはもったいない」
など賛否両論が出た。
町の第3回検討会は7月13日。町は意見をまとめ、7月下旬に開催予定の県の利活用検討会に
伝えて、現橋のあり方を考えていく。
(2006年6月28日 読売新聞)
ttp://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news005.htm