■ 現状
現在、琵琶湖を取り巻くJR鉄道幹線として、琵琶湖線(東海道線京都〜米原)、北陸 本線(米原〜近江塩津)および湖西線(山科〜近江塩津)が運行されています。
これらはいずれも複線(一部複々線)電化路線ではありますが、電化方式については、北陸本線長浜〜近江塩津および湖西線永原〜近江塩津(総延長29.5km)が交流、その他は直流となっています。
このため、琵琶湖線および湖西線を始めとするJR西日本のアーバンネットワークを走る新快速等の直流専用電車は、北陸本線長浜駅および湖西線永原駅止まりとなり、
この区間は老朽短編成の交直両用電車で細々とつないでいるにすぎず、県北部地域(湖北・湖西地域)の住民は、域外への移動に乗り換えを含めて著しく不便を強いられ、円滑な地域間交流が阻害されています。
■ 琵琶湖環状線(北陸本線長浜駅〜湖西線永原駅間直流化)とは
そこで、これら交流電化区間を直流方式に切り替え、京阪神方面から琵琶湖線および湖西線を経由して、琵琶湖の周囲を環状運行する鉄道網を形成することにより、
本県内のあらゆる地域間の交流を促進させるとともに、湖北・湖西地域を京阪神地域と直結させることで、これらの地域の開発を促進し、南高北低といわれる県土の均衡ある発展を図ろうとする事業です。
■ これまでの経過
本県では、古くから県政重要課題として、北陸本線の直流化を目標に掲げ、地元市町村とともに、旧国鉄およびJR西日本に対し、要望活動を展開してきました。
その成果が実り、平成3年9月には、琵琶湖環状線の第1段階の整備として、米原〜長浜間の直流化が実現し、新快速を中心に京阪神方面から長浜行きの直通電車が多数運行されるようになるとともに、
長浜以北も増発や接続が改善(長浜〜近江今津直通電車の新設を含む)されたことで、沿線の長浜市・近江町の人口が減少から増加に転じ、観光客が激増することなどによって、北陸本線全体の利用者が大幅に増加したところです。