常磐線などの計9駅で設置−JR水戸支社
JR東日本水戸支社は十七日、 列車の乗車券や定期券購入の際、 オペレーターとの通信回線による会話のみで発券、
購入が可能な対話型の自動券売機を三月一日から常磐線高浜駅をスタートに管内九駅に
設置すると発表した。
名前はもしもし券売機 「Kaeru (かえる) くん」。 乗車券の払い戻しや乗車変更などを行う
「みどりの窓口」 の業務を廃止し、 人件費削減を図るほか、 券売機の細かなボタン操作が
困難な高齢者らの利便性向上を目指し導入する。 遠隔操作で担当者が乗客とリアルタイムで
交信し、 発券していく斬新なシステムだ。 八王子支社管内の計七駅に次ぐ導入となる。
普通乗車券をはじめ、 特急の自由・指定席券、 グリーン券、 定期券のほか、 これまで
自動券売機で対応ができなかった学生割引など、各種割引証や購入証を使用したきっぷの
販売が可能。 みどりの窓口や指定席券販売機などで購入した乗車券の変更、 払い戻しも行う
新型券売機のシステムは、 一般の自動券売機と同じ外観の券売機のほか、 カメラやマイク、
読み取り台などが設置されたカエルのキャラクターが描かれた緑色のユニット部で構成される。
利用者が券売機のモニターの 「開始」 部分に触れると、 通信網を通じ、
岩手県盛岡市内の販売センターに待機するオペレーターに接続される。 スピーカーから
流れるオペレーターの声に従い、 ユニット部のマイクに出発と到着の駅名、 乗りたい列車の
日付、 時間などを告げていく。
リアルタイムの対応で、 要望に沿った便利な列車案内も受けられる。 希望の列車が決まると
乗車券の詳細がモニターに紹介され、 同意すれば料金を投入口に入れ、 ユニット部から
発券される。
ユニット部には読み取り台が設置され、 学割証などを置くと、 カメラの映像が情報センター
に送られ、 内容が確認される。 また利用客が操作に戸惑った際にも、 カメラを通じた映像から
オペレーターが状況を察知するため、 随時操作案内が受けられる。 実際の操作はパネル上の
「開始」に触れるだけで、八王子支社管内の駅では高齢者らから大きな反響を得ているという。
今回設置されるのは、 乗車数が一日千人から三千人規模の駅。 常磐線では高浜駅に続き、
羽鳥、 佐和、 内原、 十王、 勿来、 植田駅に設置される。 水戸線では笠間駅、 水郡線では
常陸大宮駅にそれぞれ一台ずつ設置される。 従来の券売機も併せて使用できる。 みどりの
窓口業務より一時間半から二時間長い午前六時から午後九時半までとなる予定だ。