【μ】名古屋鉄道52号車【名鉄】

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237名無し野電車区
そろそろ19時を回り繁華街の人通りも少なく、終電も迫ってきたので席をはずし
地下鉄東山線のなごや駅の乗り場へと向かった。
コンコースの照明は薄暗いがホームレスの溜まり場であった通路は昨年に全て閉鎖
され、出口は1箇所だけに縮小されたので悲しいほどのだだ広さは感じられない。
地下2階のホームに下りると19時34分の栄行き最終電車を待つ人が数名。
各乗車口に誰も並んでいないところがほとんどだった。
沿線住民の急激な高齢化と減少に加え3年前に、世界最大の自動車メーカー「トヨタ」の援助で、
主用道路の往復12車線のバイパスが続々と建設・開通した。以来当線の利用者も激減し、
列車本数も大幅に削減された。また、利用者がゼロに等しくなった新栄町以降の駅は廃止された。
やがて20分遅れて最終電車が入線。ロングシートの銀電に身を沈めて窓外に目をやる.
ほどなく浮かび上がる不気味なシルエットは一昨年廃止された伏見駅の残骸。すでに地下鉄鶴舞線
は一昨年には乗客ゼロのまま廃止させらせてしまった。荒れ果てた終着駅栄で降り、地下鉄名城線へ
乗り換える。かつては毎朝狭いホームで列車を待つ人で殺気立った雰囲気さえあったと聞くが、すでに
ホームは崩れかかっている。 
何十年も前は日本初の地下鉄環状線として話題をよんだが、もはやそんな雰囲気は
漂っていなく、名城線も金山から市役所までの区間となった。
6両で5人ほどの乗客を乗せた市役所ゆき最終電車は直線ををひた走る。
久屋大通の廃駅跡を過ぎて、既に照明を落とした、市役所駅に到着した。
この駅も無人化されて久しく、改札口すら跡形もない。
昔は、このあたりに勤めていた公務員が多く乗り降りし、活気のある駅だったと聞くが、
今ではみんな解雇されて、高層建物群はすべて廃墟と化してしまった。
階段をのぼると、地上にはあかりがなく真っ暗だった。
崩れかかっている市役所跡に止めておいた自転車で自宅に向かった。