荒廃した○○線ショートストーリー

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23名無し野電車区
そろそろ25時を回ったが繁華街の人通りは減りもしない。だが終電も迫ってきたので席をはずし新宿駅の京王線乗り場へと向かった
コンコースの照明はこうこうと照らされて、ごった返している通路は昨年新たに2つ追加され
出口が合計7箇所になったにもかかわらず、溢れ返る人の波がホームに入ることすら困難にしていた。  
地下4階のホームに下りると25時32分の三ヶ木行き最終特急を待つ人が数千名
沿線住民の急激な高齢化にもかかわらず京王ブランドで人口が増えつづけ、3年前から国道20号は終日渋滞で動かなくなった
以来当線の利用者はさらに激増し、列車本数は限界一杯まで増やされ、利用者が10万人を切る駅が消えた
やがて8分遅れて特急が入線。20両分あるホーム一杯に列車が入る
すでに満員の列車に無理やり詰め込まれ、あちらこちらから悲鳴が聞こえる
しばらくして浮かび上がる不気味なシルエットは人だらけの笹怏w
ホームから人が落ちそうな込み具合の明大前で乗り降りは長引き、20両で9700人余りの乗客を乗せた特急は調布から相模原線に入る
前が詰まり25kmくらいしか出していないが並行する国道20号の車はまったく動く気配が無い
地上に出て目に付くのは超高層ビル、40階建てのマンションの類ばかり。あれは5年前に増築したパルコかと思えば2番線にはを15両編成の各停高幡不動行終電車が停車している 
稲田堤で客の多くが乗降りするが全く空かない、まだ私を含めて数千人が苦痛に喘ぐ
人ごみあふれる京王よみうりランドを過ぎて、ホームから改札に出られない人だらけの稲城を通過すれば
右には若葉台の大検車区である、もう60年は使われたであろう6000系もある。しばらく進み稲田堤の次の停車駅である多摩センターである。
ここから先は各停の客も乗り込み、異常な混み具合の状態で列車は橋本までの10kmを走る。スクリーンの数が50に増設されたシネコンがある南大沢に止まり、トンネルをくぐり横浜線をまたげば、リニアモーターカーの止まる橋本である。 
橋本でやっと空き始めたが、いまだ乗車率250%超の列車は三ヶ木へと走り去る
橋本も超高層マンションが更に林立し、改札口が横50mに広がる
ホームから降りるのに15分近くかかり、大渋滞している16号線を動かないバスで自宅へ向かった