南武線ｽﾚｯﾄﾞ ﾅﾊ14

そろそろ２１時を回り繁華街の人通りも少なく、終電も迫ってきたので席をはずし立川駅の南武線乗り場へと向かった
コンコースの照明は薄暗いがホームレスの溜まり場であった通路は昨年に全て閉鎖され
出口は１箇所だけに縮小されたので悲しいほどのだだ広さは感じられない
地平のホームに下りると２１時１４分の武蔵中原行き最終を待つ人が数名
沿線住民の急激な高齢化と減少に加え３年前に往復２４車線の新府中バイパス等が開通して
以来当線の利用者も激減し、列車本数も大幅に削減され、利用者がゼロに等しくなった駅は廃止された
やがて５分遅れて終電車が入線。６両分あるホームに２連はやはり不釣合いだ
転換クロスシートに身を沈めて窓外に目をやる
ほどなく浮かび上がる不気味なシルエットは一昨年廃止された矢川駅の残骸
荒れ果てた分倍河原で乗り降りはゼロで、２両で１５人余りの乗客を乗せた終電車は府中本町を過ぎて多摩川を渡る
９０ｋｍくらいは出してるだろうが並行するバイパスの車は１００ｋｍを軽く越える流れでわが列車を追い抜いていく
旧南多摩駅跡付近で目に付くのは廃墟と化した富○通やア○ボの丘など。あれは５年前に閉店した長沼駅前飲食街かと思えば頭上を第二東名の高架が跨ぐ
既に照明を落とした登戸、久地を通過すれば武蔵溝ノ口で、ここで客の大半は下車し、残るは私１人
武蔵新城の廃駅跡を過ぎて、右には中原の廃車置場である。改造後たった数年しか使われなかった２０５系先頭改造車が無残な姿をさらけ出していた
かつては毎朝始発列車を待つ人で殺気立った雰囲気さえあったと聞く上りホームは崩れかかっている
武蔵中原駅も無人化されて久しく、改札口すら跡形もない
ホームから降りた階段の下に止めておいた自転車で自宅に向かった