西武池袋線　Part2

そろそろ２１時を回り繁華街の人通りも少なく、終電も迫ってきたので席をはずし池袋駅の西武池袋線ホームへと向かった
コンコースの照明は薄暗いがホームレスの溜まり場であった通路は昨年に全て閉鎖され
出口は１箇所だけに縮小されたので悲しいほどのだだ広さは感じられない
２階のホームに上ると２１時１４分の小手指行き最終準急を待つ人が数名
沿線住民の急激な高齢化と減少に加え３年前に往復２４車線の新目白通りや
新早稲田通りが開通して以来当線の利用者も激減し、
列車本数も大幅に削減され、利用者がゼロに等しくなった駅は廃止された
やがて５分遅れて準急が入線。１０両分あるホームに２連はやはり不釣合いだ
くたびれたロングシートに身を沈めて窓外に目をやる
ほどなく浮かび上がる不気味なシルエットは一昨年廃止された椎名町駅の残骸
東長崎、江古田と寂れた駅跡が続く
荒れ果てた練馬で乗り降りはゼロで２両で１５人余りの乗客を乗せた準急は寂れた高架複々線を行く
９０ｋｍくらいは出してるだろうが並行する新目白通りの車は１００ｋｍを軽く越える流れでわが列車を追い抜いていく
練馬を出ても目に付くのは廃ビル、廃マンションの類ばかり。あれは５年前に閉園したとしまえんかと思えば
頭上を新目白通りの高架が跨ぐ
石神井公園で客の大半は下車し、残るは私を含めて３人
大泉学園の廃駅跡を過ぎて、既に照明を落とした保谷を過ぎれば
右には保谷の廃車置場である、たった数年しか使われなかった２００００系もある
かつては毎朝始発列車を待つ人で殺気立った雰囲気さえあったと聞く上りホームは崩れかかっている
ここから先の乗客は私一人で列車は秋津までの７ｋｍを走る
秋津で最後の１人を降ろした列車は小手指へと走り去る
この駅も無人化されて久しく、改札口すら跡形もない
ホームから降りた階段の下に止めておいた自転車で自宅に向かった