【魅惑の真紅】名鉄パノラマカー【当然名電】

このエントリーをはてなブックマークに追加
209[1/3] ◆aPwp0KSVC6
○作戦
水銀燈は鏡越しに真紅たちの様子をうかがっている。
多少にやにやしているものの、真剣に鏡を見つめている。
そんな彼女はぶつぶつとこんなことを言い始めた。
「私たちの本当の目的は、アリスゲームをやり、ゲームに勝ち抜いていくこと。
 けど、今の状況じゃゲーム所じゃないわぁ、本当につまんなぁい。
 でも、あのおかしな趣味があるおかげでそのつまらなさを打開できてるわぁ。
 あのヲタクくさぁい趣味が私にもまでここまで悪影響を起こすなぁんて…。信じられなぁい。
 近代のヨーロッパに産業革命までも引き起こした、鉄道。
 あそこまで魅力あるものなんて…。知らなかったわぁ。
 私ともかく、真紅たち、いやドール全体に浸透してるなぁんて…。
 だとしたらぁ、このまま真紅たちを鉄道づけに、戦意を喪失させて、
 ただのヲタクにさせて、その時に勝負を仕掛けようかしらぁ。
 …けっこう時間かかりそうだわぁ。まぁそれまでの辛抱だわぁ…。
 その間にこつこつと、鉄道面で真紅たちを苛めていこうかしらぁ。」
210[2/3] ◆aPwp0KSVC6 :05/02/28 18:20:54 ID:VV5YDsdA
水銀燈はそう言いつつ、一つのある電車を撮影した写真を手にとった。
「この間は真紅にわざと名鉄から国鉄に方向転換してやったわぁ。
 真紅はかなりはまったけど、何かいまいちだわぁ。
 そうだわ、マナーを守らない自己中心な鉄道ヲタクの道を歩ませようかしらぁ。
 …でも、これもいまいちだわぁ」
水銀燈はその写真をながめながら、ため息をつくようにこうつぶやいた。
「お父様、こんな私をお許しください。鉄道なんて最初はただのバカがやることだと思っていたけど、
 ぬるりぬるりとのめり込んでしまいましたわぁ…。嗚呼お父様、こんな私を見ないで…」
彼女はノリで写真をやぶりそうになった。はっと我を戻し、写真を見つめなおした。
211[3/3] ◆aPwp0KSVC6 :05/02/28 18:22:04 ID:VV5YDsdA
「でもお父様、鉄道というものは速くて便利なものですわ。是非お父様にも一度お見せしたいですわ。」
そういって水銀燈はその写真を静かに置き、近くにあったカメラのレンズを磨き始めた。
「次はどんな電車を撮っていこうかしらぁ。うふふ、そう考えていくと、楽しくてしょうがないわぁ…。
 私ってぇ、本当に鉄道が好きなのねぇ〜。ふふ、趣味を持つことは別に悪くはないわぁ。」
彼女は微笑みながら、ゴシゴシとカメラの磨いた。つやが出て、いい写真が撮れそうだ。
彼女は磨き終わると、再び鏡越しに真紅たちの状況を伺い始めた。
嗚呼、ローゼンメイデンの人形たちは鉄道オタクの人形集団と化すのかな…。(終)